カール・ルイスは1996年に開催されたオリンピックの走り幅跳びで連続4回の金メダルを獲得し、歴史に名を残しました。1960年代のボストン・セルティックスや、モントリオール・カナディアンズ、MLBにおける1952年のニューヨーク・ヤンキースなどの伝説的なチームは、4年以上連続してチャンピオンに輝きました。そしてジュニパーは、2024年度の「Gartner® Magic Quadrant™ for Enterprise Wired and Wireless LAN Infrastructure(エンタープライズ向け有線/無線LANインフラストラクチャ分野のマジック・クアドラント)」(2024年3月公開)において、4回連続でリーダーの1社に位置づけられました。これは、私たちの継続した努力と優れたソリューションが評価された証だと考えます。 最新の2024年度の「Gartner Magic Quadrant for Enterprise Wired and Wireless LAN Infrastructure」が発表され、4回連続でジュニパーネットワークスがリーダー・クアドラントに位置づけられました。それだけではなく、「ビジョンの完全性」および「実行能力」において全ベンダーの中で最も高い位置づけであるという評価は、3回連続です。ジュニパーがAIネイティブのクラウドベースソリューションを提供するベンダーであることを考えると、これはまさに偉業だとは思います。Juniper MistはITの新時代をリードしており、かつてないほどのシンプルさ、拡張性、インサイトをもたらすことで事前対応型の効率的なIT運用を実現しています。競合他社との差別化を図っているAIOpsの機能、強力なスイッチングポートフォリオ、およびネットワークセキュリティの高度化がジュニパーの推進力です。 図1:Gartner Magic Quadrant for Enterprise Wired and Wireless LAN
ユーザーエクスペリエンスを中心にしたイノベーションにおいて、すべての製品が同じように作られているわけではないという事実が明らかになっています。その証拠に、iPhoneのデビューは携帯電話業界の常識を書き換えただけでなく、テクノロジーの可能性に新たな基準を打ち立てました。こうした画期的な変革のスピリットは、最新のイノベーションを何度も生み出しているジュニパーネットワークスの活力となっています。 AI時代の800 GEネットワークに対する当社の取り組みは、業界にとって革命的です。それは主に持続可能性、パフォーマンス、自動化の3点においてです。ジュニパーの800 GEソリューションは、iPhoneのようにゲームチェンジャーとなるべく設計されています。つまり、800 GEネットワークにおいてユーザーエクスペリエンスとシンプルさの常識を書き換えます。 800 GEにとって持続可能性が重要であるのは、運用担当者が環境を意識したネットワークの必要に迫られているためです。比類のない効率性を大規模に実現するパフォーマンスは、ジュニパーが責任をもって提供すべきものであり、受け継がれてきたDNAです。自動化は最新化の柱であり、運用を合理化し、よりシンプルで予測性の高い運用を可能にします。 ジュニパーのPTX 800 GEルーティングソリューションは、最近発表された業界初のジュニパーAIネイティブネットワーキングプラットフォームの主要コンポーネントです。画期的なExpress 5シリコンを搭載した新しいPTX10002-36QDD固定型プラットフォームとPTX10000モジュラー型ラインカード(LC1301-36QD)は、ジュニパーのAIネイティブネットワーキングプラットフォームの一部として、AIワークロード向けにデータセンターネットワークを拡張して変革するように設計されています。現在、800 GE PTXプラットフォームの画期的な機能は、さまざまなWANユースケース(コアとピアリングのロケーション、データセンターエッジと相互接続ネットワーク、クラウドメトロアグリゲーションなど)に対応します。800 GE以外にも、これらのルーターは統合を合理化して既存の環境にシームレスに導入でき、ブレークアウトの有無にかかわらず400 GEポート密度の倍増または高密度100 GEを提供します。 顧客のニーズに対応するサービスプロバイダやクラウドプロバイダ、エンタープライズ企業は、常に課題を抱えています。2028年までにインターネットトラフィックは3倍に増加し、クラウドとエッジのワークロードによってメトロネットワーク、DCI(データセンターの相互接続)、データセンターエッジのスループット要件が厳しくなります。また、新しいユースケースによってトラフィックがかつてないほど飛躍的に増加します。たとえば、生成AIはデータセンターネットワークの規模拡大と自動化を大きく促進します。ジュニパーのPTXソリューションは、AI時代以降の課題に対応するキャパシティとスケールに対応します。優れたパフォーマンス、持続可能性、エクスペリエンスファーストの自動化を実現し、汎用性を備え、ネットワークを次世代の収益エンジンに変革します。 800 GEネットワークに関するジュニパーのブループリント 持続可能なネットワーキングを再定義 ネットワークを進化させて従来よりも大量のトラフィックを転送できるようにすると、消費電力(そして関連コストと二酸化炭素排出量)は、すぐに手に負えない状況になります。AIトレーニングクラスター、DCI、ピアリングポイントなどの高トラフィックユースケースにおいては、可能な限りあらゆる点での運用コスト削減が不可欠です。 Juniper PTX 800 GEルーティングソリューションは、環境を意識した持続可能なネットワークを実現し、以下のマルチレイヤーにわたり競争力のある総所有コスト(TCO)を実現します。 持続可能なシリコン:新しいExpress 5シリコンは、ネットワークパフォーマンスのエネルギー効率をレベルアップさせます。前世代のExpress 4シリコンと比較して電力効率(ワット/Gbps)が49%向上しています。 持続可能なシステム:新しいPTXプラットフォームは、より少ないシリコンチップでより高い電力効率を実現する最適な設計です。エネルギー効率に優れたシャーシに、未使用時に電源が切れる転送エンジンなどの高度なJunos電力管理機能を搭載しています。たとえば、PTX10002-36QDDのキャパシティは、同じフットプリントの前世代プラットフォームの2倍です。前世代のExpress 4ベース固定型ルーターPTX10001と比較してワット/Gbpsが54%向上しています。
この30年間に、テクノロジーもビジネスも目覚ましい変革を遂げています。2000年以前を振り返ると、1 GHzのメモリを搭載したPCがニュースになり、ノートパソコンはまだ特別なもので、インターネットはダイヤルアップ接続でピーヒョロロと独特のハンドシェイク音を鳴らしながら接続して最大でも56 Kbpsがいいところでした。 それから非常にたくさんの大きな出来事によってテクノロジーの状況が一変し、その中で私もIBM、NetApp、Palo Altoなどの企業で実績を積んでキャリアを形成してきました。その間、ドットコム事業、eコマース、ソーシャルメディア、ビッグデータ、クラウドコンピューティング、モバイルが出現し、現在はAIが今日のテクノロジーにおいて、かつてないほど最大の変革的なムーブメントになっており、まさに爆発的な勢いで成長しています。そこで私はジュニパーネットワークスに引きつけられました。ジュニパーは、この急速に進化する機械知能とネットワーク自動化を活用して新時代を切り開くというビジョンを掲げ、卓越したエクスペリエンスを確保します。 私がジュニパーネットワークスに入社した1年弱前、ネットワーキング業界の競合他社はAl(人工知能)とML(機械学習)に注目し始めたばかりでした。しかし、ジュニパーでは、すでに9年前からあらゆるものにAIを緊密に統合してきました。AIをリードするジュニパーは、お客様のデータセンター向けAIアプリケーションの開発をサポートするだけでなく、ネットワーク自動化による拡張性、簡素化、優れたエンドユーザーエクスペリエンスの実現もサポートします。 エンドユーザーにまったく影響を及ぼさずにネットワーク自体が問題を自律的に検知して解決できるとしたら、どうでしょうか。ネットワークの障害対応チケットや、ネットワークの停止、ダウンタイムやパフォーマンスの問題がなくなり、人が介入する必要性が最小限に抑えられるとしたら、どうでしょう。これらを実現するのが、ジュニパーのAIネイティブネットワーキングプラットフォームです。運用担当者とエンドユーザーに最適なエクスペリエンスを提供することに特化した、業界初のプラットフォームです。 このプラットフォームは、ネットワーク環境におけるAIの大きな発展を象徴するだけでなく、ハイパフォーマンスなAIトレーニングおよび推論ネットワークの極めて迅速かつ効果的な導入を可能にします。お客様がネットワークに最先端のAIを活用する場合でも、独自のAIアプリケーション開発に最適なネットワークを構築する場合でも、ジュニパーは業界唯一の真のAIOpsと比類のないアシュアランスをクラウド上でネットワーク全体にわたりエンドツーエンドで提供します。 繰り返しになりますが、AIネイティブはAIの誇大広告ではありません。ジュニパーはAIネイティブに9年間取り組んでおり、その実力はすでにお客様にメリットをもたらしています。ネットワークに関わる障害対応チケットを完全になくすというジュニパーの究極のビジョンは理想が高すぎると思われるかもしれませんが、実はすでに、目に見える画期的な結果が出ています。ServiceNowはネットワークに関わる障害対応チケットを90%削減し、フルスタックの有線、無線、SD-WANの導入にかかる所要時間を50%短縮、ネットワークの設備投資および運用コストを60%削減しています。これは、AIネイティブの実力を示すほんの一例です。 日本時間の3月7日(木)に開催された当社のバーチャルライブイベント「AI-Native NOW」では、ServiceNowをはじめとする多くのお客様にジュニパー導入後の実際のインサイトを紹介していただきました。AI-Native NOWでは、どこよりも早く革新を進め成功されているジュニパーのお客様をはじめ、ジュニパーのAIエキスパートや業界の第一人者の方々が世界中から集まり、AIの現状とAIネイティブがいかに重要である理由などについてお話ししていただきました。 また、新たにリリースされたAIネイティブネットワークについて深く理解を深め、最新の発表に関するライブデモを実施し、ライブQ&Aでは、AIのエキスパートの方々と交流していただきました。 私がジュニパーにいる大きな理由は、私たち全員の未来をさまざまな形で象徴する急成長テクノロジーに無限の可能性を感じているからです。ぜひ当社のAIネイティブネットワーキングの詳細をご確認ください。俊敏性の向上、簡略化された自動化、アシュアランスを通じて、運用の簡素化、生産性の向上、安定したパフォーマンスを各ネットワーク規模に応じて実現できます。 イベントはオンデマンドで配信しています。こちらからぜひご視聴ください。
お客様のネットワーク運用チームは、日々の障害対応に追われ、事後対応での障害処理に追われていませんか? Enterprise Strategy Group(ESG)が実施した最近の調査では、73%の企業が2年前と比べてネットワーク環境が複雑になったと回答しています。 先日公開されたESGの調査結果のホワイトペーパー『最新ネットワークのAIネイティブ要件』では、この複雑さを解消するために、エンドツーエンドの可視性と状況に応じたインテリジェンスを向上させて、事前対応での障害対応のアプローチに移行し、運用効率を高める必要があることが示唆されています。 具体的にどうすればよいのでしょうか? 難しい質問です。ホワイトペーパーによると、AI(人工知能)とML(機械学習)を自動化に結び付けて活用すれば、ネットワーク運用チームは運用効率やエクスペリエンスを改善し、管理を事後対応型から事前対応型に、さらには予測型に転換できるようになります。 とはいえ、ネットワーク分野へのAIの導入は容易ではありません。これには、AIやMLモデルが必要とするレベルの高品質で豊富なデータを提供することに伴う大きな課題があります。 技術面:まず、ネットワーク運用データの多くは顧客のオンプレミス管理システムにサイロ化した状態で保存されており、共有できません。また、ネットワーク管理ソリューションの多くは統合されておらず、共有できないデータ群をさらに増やします。さらに、非公開であるべき機密データや専有データにモデルが対応していません。 文化面:文化面では、従来のトラブルシューティングに慣れているネットワーク運用チームメンバーの多くはこれらのモデルを信用することに抵抗があります。また、XAI(説明可能なAI)がないと全面的に受け入れることが難しくなるというのも問題です。さらに、クローズドループシステムが確立されていない場合は、経験豊富なネットワーク運用担当者がフィードバックを迅速に提供することができません。 課題を克服する ホワイトペーパーによると、効果的なAIOps運用の課題を克服するには、次の5つの条件を満たすAIドリブンネットワーキングプラットフォームが必要です。 クラウドベースのアーキテクチャ:データのサイロを解消する重要な機能です。さまざまなドメインから包括的なデータを集約して、ネットワークの正常性とパフォーマンスを確認できる統合ビューを提供します。 エンドツーエンドの可視性と状況確認:ネットワーク環境やユーザーエクスペリエンスの全体像と状況を確認できるプラットフォームが必要です。この包括的なビューは、ネットワーク内の複雑な関係性や依存性を理解するのに欠かせません。 対話型インターフェイス:運用を簡素化するには、直感的に操作できるインターフェイスが必要です。たとえば、自然言語によるクエリーと応答が可能な仮想アシスタントがあると、複雑なネットワークを幅広いユーザーが管理できるようになります。 信頼性の高い詳細なデータ:セッションレベルのテレメトリとメタデータを活用してネットワーク運用に関する詳細なインサイトを獲得できるプラットフォームが必要です。詳細な情報は、的確な分析や意思決定に欠かせません。 双方向のAPIエコシステム:他のシステムやツールとの統合を可能にするオープンで拡張性のあるAPIエコシステムが必要です。円滑なフィードバックループが確立され、継続的な改善や変化するネットワーク状況への対応も可能になります。 ジュニパーのソリューション 本ホワイトペーパーでわかるように、ジュニパーはエクスペリエンスファーストネットワーキングを基本理念とし、エンドツーエンドのエンタープライズネットワーク全体で最善のエクスペリエンスを実現するために、AIと自動化を重視しています。 ジュニパーのAIネイティブネットワーキングプラットフォームは、特別設計で一から構築されており、AI導入の課題を克服する手段としてAIOpsを活用します。AIを活用することで、事前対応での問題解決、予測分析、自動最適化が可能になります。いずれも、ネットワーキングにおいてAIのメリットを活かすために欠かせません。もちろん、障害対応に追われる日々に終止符を打つ第一歩にもなります。 ネットワーク環境でAIを活用する際の課題とそれらを克服するソリューションに求める条件の詳細については、無料のESGホワイトペーパー『最新ネットワークのAIネイティブ要件』をご確認ください。 最後に、ジュニパーのバーチャルライブイベント「AI-Native NOW」をぜひご視聴ください。ジュニパーのAIエキスパートや業界をリードするお客様との対談、また、AIに関する基調講演などさまざまな啓発活動を行っているOpenAIの元CEO、エメット・シアー氏がAIの現状とAIネイティブネットワーキングが重要である理由について解説します。ぜひ登録してオンデマンドでご視聴ください。
トラブルチケットへの対応はもう必要はありません。デジタルエクスペリエンスツインで事前対応型AIを利用できます 多くの場合、IT部門がユーザーエクスペリエンスを測るときにその指標とするのは、トラブルチケットの数です。しかし、問題の解決に失敗することが何度も繰り返された結果、いら立ちをつのらせたユーザーがチケットの発行をやめてしまうことがときにあるため、これは正確な指標にはなりません。そして、もっと重要と思われるのは、トラブルチケットと呼ばれること自体が、サポートを求める前の段階でユーザーがすでにトラブルに巻き込まれているに違いないことを示している点です。むしろ、ユーザーが面倒な事態にまったく遭遇していない状況で、定量的な指標に基づいて問題を検出できるほうがよいと思っています。 ジュニパーのAIネイティブネットワーキングプラットフォームに追加された最新機能、Marvis Mini(マービスミニ)の活用で、それが可能になります。Marvis Miniは自動運転のデジタルエクスペリエンスツイニングで、ユーザーがネットワーク上にいなくとも、ユーザーエクスペリエンスをシミュレートして問題を検出します。Mist AIを活用して事前対応かつリアルタイムで問題を検出するMiniは、無線ネットワーク管理のパラダイムを事後対応型から事前対応型へと完全にシフトします。これにより、最高のユーザーエクスペリエンスを確保しつつ、IT部門は問題の追跡にかかる時間と費用を削減できます。 Marvis Miniにより、ジュニパーは問題の特定と解決における流れを根本から変えました。外部センサー、クライアントとエンドユーザーの反復テスト、または問題の再現を通じた手作業によるモニタリングと分析に頼る時代は終わりました。Marvis Miniでは、既存のネットワークインフラストラクチャの内部から事前対応で問題を特定できます。 簡単にいえば、Marvis MiniはAIドリブンネットワーク最適化をワンランク上のレベルへと引き上げ、ネットワーク自体がリアルタイムで問題を検出できるようにします。そのために、次のようなことが行われます。 エンドユーザー、クライアント、デバイス、アプリのトラフィックを事前対応でシミュレート 機械学習を活用して、ネットワークで発生する事柄についてコンテキストに基づくディスカバリを継続的に実行 ユーザー、アプリケーション、デバイスに影響が及ぶ前に自動的に問題を解決 Marvis MiniはMist AIエンジンと統合されており、既存のAIモデルすべてを強化するMarvisに新しいデータフィードを提供します。利用に際しては、Marvis VNAクラウドを介するため追加料金は必要なく、ソフトウェア要件にも追加ハードウェアは記載されていません。 エンドユーザーとITのための並外れたエクスペリエンス 驚くほどの完璧さに加えて、Marvis Miniは柔軟で使いやすくもあります。手動による設定作業は不要で、常時稼働のためいつでも利用でき、以下のようなニーズに応じた導入が可能です。 Miniを常時バックグラウンドで稼働、毎時ベースで稼働、またはネットワークの設定を変更したときなどトリガーとなるイベントがあったときに稼働 VLAN、DHCP、DNSの設定を自動で習得(手動による設定作業が不要) ネットワークサービスエラーの発生に備え、事前対応的にネットワークおよびダイナミックパケットキャプチャを検証 エラーの全容をMarvis AIエンジンに提供し、エンドユーザーのエラーを推測してMarvisのアクションを生成するときに同じアクションが生成されるようにする また、Marvis Miniのこうしたメリットは、次のような成果を迅速にもたらします。 問題の迅速な検出と解決により、稼働時間の改善と同時に時間とコストの節約を実現 事前対応的な検証と修正により、あらゆるユーザーエクスペリエンスを大幅に向上
Juniper® AIデータセンターソリューションの俊敏性、自動化、通信の信頼性の向上を推進する新製品 私はこれまで30年間、お客様が最優先のネットワーキングニーズに対処できるようサポートしてきましたが、時代やビジネスを問わず、そうした場合における課題は変わらないように思われます。お客様は、誰もが対応の迅速化とビジネスの競争力向上を求めます。どれだけ自動化されていても、運用は十分簡素化されているとはいえません。そして、IT部門は常に少ない予算やリソースで多くのことに対応しなければなりません。 時折、こうした問題にスポットライトを当てた新たなテクノロジーが登場することがあります。AI(人工知能)はその1つに該当するでしょう。AIの将来性は桁外れに大きなものですが、AIデータセンター向けネットワークの構築と運用にかかるコストと複雑さも桁外れに大きくなります。 たとえば、AIモデルのトレーニングに際しては、並行して問題を処理するというきわめて複雑なことが求められるため、ネットワークに大きく左右されることになります。適切なネットワークの構築は、何十万ドルもすることがある高価なGPUサーバーの最適化を実現するためのカギとなります。 今週、ジュニパーは、AIデータセンターの高速化、効率化、拡張性向上を推進する新製品と新機能をリリースし、こうしたアーキテクチャにおける優位性を拡張しました。AIOpsをデータセンターに導入することで事前対応のアクションとシームレスなナレッジベースのクエリを実現し、Juniper® Apstra®を拡張することでAIやML(機械学習)のワークロードのサポートを強化しました。また、新しいJuniper Networks® PTXシリーズルーター、ラインカード、およびQFXシリーズスイッチを追加することで拡張性と信頼性の向上につなげました。 今回拡張されたAIデータセンターソリューションはジュニパーのAIネイティブネットワーキングプラットフォームの重要な要素であり、ネットワーキングの設計、導入、トラブルシューティングにおける複雑さの大半を解消します。お客様は少ないITリソースで多くのことに対応できるようになります。さらに、多様なシリコン、マルチベンダーのスイッチ管理、スタンダードベースのオープンなイーサネットファブリックへの取り組みにより、お客様に最高の柔軟性を提供でき、ベンダーロックインを回避できます。 設計、導入、トラブルシューティングに運用ファーストのアプローチを採用することで時間とコストを削減 運用主導のアプローチにより、簡素化されたDay 0/1/2+の運用をより少ないリソースで行い、時間とコストを節約できます。Apstraは、業界屈指のインテントベースネットワーク構築を可能にする唯一のマルチベンダーデータセンター自動化プラットフォームであり、手動の設定により発生する問題を回避できるため、導入とトラブルシューティングにかかる時間を短縮できます。Apstraは、クローズドループアシュアランスを備えた信頼できる単一の情報源として、強力な分析機能により問題を予測して事前に解決し、サービスの中断を回避します。設定内容がテンプレート化されているため、信頼性、一貫性、反復性が確保され、これによりお客様は運用費用を最大90%削減し、導入の時間を85%短縮、320%のROIを実現できます。 データセンター向け仮想ネットワークアシスタント「Marvis®」を用いて、ジュニパーはAIOpsをこの領域に導入してさらなる自動化とインサイトを提供することで、データセンターエクスペリエンスの最適化を進めています。データセンター向けのMarvis VNAは、Apstraの機能豊富なストリーミングテレメトリとリアルタイムモニタリングをMarvis Actionsダッシュボードに拡張して、運用ドメイン全体で事前対応型のトラブルシューティングと分析を可能にします。この統合は、マルチベンダーデータセンターに対してAIドリブンの実用的なインサイトを提供するための、基本となる最初の一歩です。また、Marvisをすでに使用しているキャンパスや支社/拠点の運用担当者は、データセンターの問題を同じダッシュボードで確認できるようになります。 AIで最適化されたオープンなイーサネットでベンダーロックインを回避する実証済みのテクノロジーを使用 ジョブ完了までにかかる時間を最小限に抑えるためにGPUの効率性を最適化することは、AIのコストを賄ううえで必要不可欠です。しかしこれまで、AIネットワーキングエコシステムはInfiniBandを中心に構築されてきました。このネットワーキングテクノロジーは、世界で最も広く展開されているL2テクノロジーであるイーサネットに比べて、相対的に高価で稀少です。 しかしこの状況は変わりつつあります。主要なAI開発者フレームワークであるPyTorch 2.0のリリースに伴い、AIネットワーキングのInfiniBandへの依存を断ち切るイーサネットベースの製品を導入しているGPUベンダーが増えています。さらに、ジュニパーも加盟しているUEC(Ultra Ethernet Consortium)が、マルチベンダーAIネットワーク向けのハイパフォーマンスで一般的なイーサネットアーキテクチャの開発を加速させる準備を進めています。 InfiniBandからイーサネットへの市場のシフトが進む中、それを有効に活かすため、今週ジュニパーは、AIデータセンターのイーサネット上での高帯域幅、ロスレス、低遅延、拡張可能なパフォーマンスを確保する、高度なトラフィック管理機能を発表しました。この機能は、InfiniBandと同等のパフォーマンスを提供しながら、イーサネットの経済的メリットを活かし、より高速なイノベーションを実現し、設計の柔軟性を最大限高め、サプライチェーンの課題を回避します。 データセンター向けのPTXシリーズルーターは、新たな高密度800 GbE PTX10002-36QDD固定スイッチと、PTX10000シャーシ向けの新たな800 GbEラインカードによって拡張されました。Express 5カスタムシリコン上に構築された最大のPTX10000シャーシ は、高基数スパインとスーパースパインアーキテクチャ向けに最大576 x
CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)でホールを歩き回ったり、ダボスで開催されている世界経済フォーラムで会話に耳を傾けたり、ソーシャルメディアのフィードをチェックしてみると、 どこもかしこも、AIの話でもちきりです。 2022年11月に、人間が会話するような受け答えや微妙な質問にも回答する能力を持つOpenAIのChatGPTが華々しく登場すると、ようやく多くの人々にとってAIが現実味を帯びてきました。そして、ChatGPTのユーザー数が最初の5日間で100万人を記録すると、この波に乗ろうとして独自のAIドリブンやAI活用のツール、製品を展開する企業が急増しました。 AIは生活のほとんどすべての側面を変える力を持つと私は考えています。AIブームが落ち着いたときには、新時代のコンピューティング、働き方、暮らし方が急速に具体化することでしょう。 ジュニパーネットワークスは、幸いにも数年前からAIの実情を認識していました。 2015年以降、ジュニパーのMist AIソリューションは、人工知能、機械学習、データサイエンスの技法を組み合わせて、世界中のお客様のためにエクスペリエンスファーストのネットワーキングを推進してきました。たとえばServiceNowは、Mistを使用してネットワークのトラブルチケットの数を90%削減しました。Gap, Inc.ではMistの導入によって、各店舗が自力でITの問題を解決できるようになり、店舗への人員の派遣を85%削減できました。 私たちは現在、次のレベルに進もうとしています。 業界初のAIネイティブネットワーキングプラットフォームにより、AIをポートフォリオの全体に拡大することで、ネットワークのあらゆる領域にわたりエンドツーエンドでエクスペリエンスを確保し、運用を簡素化する取り組みを進めています。 ジュニパーのAIネイティブネットワーキングプラットフォームとは何か 7年間のAIの学習を生かしたクローズドループのAIネイティブネットワーキングプラットフォームは、有線アクセス、無線アクセス、WAN、セキュリティ、データセンターの領域において、共有のクラウドホスト型AIOps(AI運用)とMarvisと呼ばれるVNA(仮想ネットワークアシスタント) を活用してエンドツーエンドの通信に信頼性をもたらします。 AIネイティブネットワーキングは、思い付きの言葉でもフレームワークでもなく、「市場構造」でもありません。エクスペリエンスファーストのネットワーキングを他の市販ソリューションよりも強力に推進するプラットフォームであり、なぜそれができるかといえば、オリジナルの製品アーキテクチャに実証済みのAIが組み込まれているためです。 ここで紹介するのは、最初からAIのために構築され、最適化されたネットワークです。 このプラットフォームの構築はどのようにして始まったのでしょうか? まず、エクスペリエンスファーストに関して的確な問題点を挙げることから始めました。「ネットワークは稼働しているか」といったような問題ではありません。 そうではなく、「あらゆる場所にいるあらゆるユーザーが一貫したエクスペリエンスを得るには、どうすればよいか」、「ユーザーが気づかないうちに問題が解決されるようにネットワークを運用することは可能か」、「ネットワークは関係者全員のニーズを満たしているか」といったような問題です。 きわめて長い間、業界ではデバイスのパフォーマンス、ネットワークインフラストラクチャのステータス、機器のスピードとスループットなどの指標が重視されてきました。これらはパズルの重要なピースではありますが、過去数年間でパズルは大きく複雑になりました。次の10年間のネットワーキングの勝者は、完璧なエクスペリエンスを提供することの必要性を理解している人になるでしょう。 エクスペリエンスファーストに関する問題点を探った後、その答えとなる適切な技術を求めました。たとえば、エンドツーエンドのネットワーク全体で実行可能な業界唯一の真の意味でのAIOpsです。 ただし、すべてのAIOpsが同じというわけではありません。ワールドクラスのAIOpsには3つの主要な特性があると、ジュニパーは考えています。 第一に、適切なデータが与えられていることです。何を修正すべきかわからなければ、修正は不可能だからです。 幸い、私たちには先見の明があり、豊富なネットワークデータを抽出できるようにする製品を数年前に構築していました。したがって今では、スイッチ、アクセスポイント、ルーター、ファイアウォールから正しいデータを山のように収集して、ネットワーク運用担当者がエンドユーザーのエクスペリエンスを把握できるようにしています。 もちろん、適切なデータの収集だけでは不十分です。データを利用することが重要です。リアルタイムでの適切な応答には、実用的であること、および瞬時のアラームよりも優れていることが求められます。ネットワーク上のすべてのユーザーの満足度を常に把握することで、私たちはユーザーが気づかないうちに問題を解決します。 不適切なAIOpsの例を挙げると、たとえばライトが点滅してアラームが発行されるものの、その多くが間違いで、IT管理者は最終的にそれらを無視するしかありません。ジュニパーのAIOpsのような適切で優れたAIOpsは、エクスペリエンスに影響する前に事前対応で問題を修正します。 最後に、適切で安全なインフラストラクチャがあります。これがなければすべて不可能です。 ジュニパーは、デバイス、オペレーティングシステム、クラウドのハードウェアとソフトウェアなど、業界で最も拡張性が高くて安全な、AI時代に適したインフラストラクチャを保有しています。大量のデータを処理し、画期的な成果を達成するために構築されたインフラストラクチャです。 真の意味でのAIかどうかは、これらの3つの要素にかかっています。すなわち、適切なデータ、適切な応答、適切なインフラストラクチャを備えていることが求められます。結果としてもたらされるのは、優れた俊敏性、自動化、複雑さの解消、生産性の向上、信頼できるパフォーマンスの大規模な確保です。 そしてミスが発生しないこと。これはロードマップではありません。ジュニパーのAIネイティブネットワーキングプラットフォームは、7年の歳月をかけて構築され、そして今、真の意味での製品、新の意味でのプラットフォームとして登場しました。 さらにその傘下に、いくつかの新たなイノベーションが加わりました。それらについてここでご紹介します。
ジュニパーネットワークスが誕生したのは、ちょうどインターネットが急激に広がろうとしているときでした。そして、ジュニパーの存在がなければ、多くの点でインターネットは今の状態にはなっていなかったことでしょう。 1990年代に、私はエンジニアとしてジュニパーに入社しました。小規模なチームと一緒に、インターネットを拡張する新しいタイプのルーターを考案し、ドットコムブームを起こし、それまでになかったイノベーションに拍車をかけました。それ以来、変化を受け入れること、現状を打破すること、新たな技術シフトのたびに起こる困難な問題を解決することが、私たちのDNAの中にしっかりと埋め込まれてきました。 現在、AIが押し寄せています。それも大きな波です。これは、インターネットの出現以来、最大の転換点だと思います。私たちが製造しているテクノロジーだけでなく、私たちの暮らし方、仕事の仕方、遊び方にも影響を与えるものです。 ジュニパーは7年前に、この機会を捉えるための一歩を踏み出しました。優れたAIOpsにより、お客様のために手作業を削減し、導入を加速し、時間のかかるトラブルチケットをなくしました。ネットワークにできることや、あるべき形についての考え方を変え、それは大きな成功だったとみなしています。実際、このAIを活用した製品による収益は、報告された過去2四半期で、前年比ほぼ100%の増加を達成しています。そして、たとえば新たなAIトレーニングや推論モデルの処理などを行うAIデータセンターの実現と自動化に対して行った投資に、さっそく勢いが見え始めてきています。 ジュニパーでは、「AI」とは「All In(すべて組み込み)」の略です。 また、一世代に一度のチャンスを最大限に活用するためには、大きく、大胆に進んで、AIにすべて組み込んで全面的に支持することが必要だと認識しています。 そうした理由から、HPEによるジュニパーの買収が最終的な合意に達したことを、私は嬉しく思っています。 この統合によって、AIネイティブネットワーキングにおける製品やサービスが強化されることでしょう。同時に、あらゆる分野においてイノベーションが加速されるでしょう。たとえば、コンピューティングやストレージやネットワーキング、シリコンやシステム、ソフトウェア、そしてキャンパスや支社/拠点、データセンターや広域ネットワークにおいてです。 HPEとの統合により、より包括的で競争力のある、真にエンドツーエンドでエクスペリエンスファーストのAIネイティブソリューションを提供できるようになることを、私たちは期待されています。 エンドツーエンドのセキュアで確実な接続性:WLAN、有線、セキュアなSD-WAN、ネットワークアクセス制御、屋内位置情報サービス、クラウド型セキュリティなどで実現し、優れたMist AIOpsにより、企業はビジネス目標に基づいて独自のペースでAIとクラウドを柔軟に導入できます。さらに、お客様はSASEとゼロトラストアーキテクチャを活用できるようになります。 差別化されたサービスとしてのネットワーク(NaaS)の提供:私たちは統合後には、HPE GreenLakeをJuniper Mist独自のAI機能と組み合わせることで、非常に包括的な形でNaaSをお客様に提供できるようになります。 AIデータセンター:コンピューティング、ストレージ、ネットワーキングなどの包括的なデータセンターソリューションが提供されます。HPEの高性能コンピューティングにおける長年の経験は、Slingshotのような相互接続テクノロジー、液体冷却ソリューション、GPUサーバーなど、すべて現行のAIデータセンターの変革に生かすことができます。すでに世界中でお客様のDC運用の簡素化を実現しているジュニパーのインテントベースの自動化ソリューションであるApstraや、QFXスイッチ、PTXシリーズルーターと組み合わせることで、私たちは、AIデータセンターを構築するお客様に適した包括的なソリューション開発における先駆者となるでしょう。 エンドツーエンドの広域ネットワーキング:エクスペリエンスを確保しながら、コア、エッジ、メトロの全体にわたって自動化ネットワークを効率的に導入できるポートフォリオです。私たちには、サービスプロバイダ、クラウド、エンタープライズWANのお客様という強力な基盤があります。より広範なエンドツーエンドのソリューションを提供して、こうした重要なお客様を有することの存在感を高める大きな機会になると考えています。 よって、今回の統合は間違いなく、企業セグメントにとって大きなチャンスです。この統合により、グローバルな展開が劇的に促進され、クラウド、サービスプロバイダ、エンタープライズなど、あらゆるお客様の業界にアプローチできるようになることが期待されます。これが実現されれば、より広範なインストールベースにわたって、きわめて詳細に集約されたテレメトリに基づき、収集、保護、分析、処理ができるようになります。それは、エンドユーザーエクスペリエンスのさらなる向上とネットワーク運用の効率化の推進へとつながります。 HPEは、ジュニパーと同様に、価値を重視し、人を尊重し大切にする企業です。持続可能性に関する強固な実績、多様性と受容性の重視、イノベーションに対する深く根付いた情熱を共有し、この新たな取り組みの段階に入る私たちにとってHPEは最適なパートナーといえるでしょう。 ジュニパーで育まれてきた考え方や活力は、HPEとの統合でさらに強化されると信じています。次の時代においても、AIネイティブネットワークの分野で確立されたポジションを基に成長を続けるにあたり、新たなスピード感とスケール感をもって、ネットワークエクスペリエンスに対する今日の進化するニーズに対応していく所存です。 私たちすべての可能性は無限大です。ともに業界のリーダーとしての位置を築いているHPEと始める新たな時代において何がもたらされるか、とても楽しみにしています。 Cautionary Statement Regarding Forward-Looking Statements This document contains “forward-looking
非常に優秀なネットワークエンジニアが退職したとしたらどうしますか。知識が非常に抱負で、ネットワークを設計および構築し、信頼できる単一の情報源となっている人が退職したとしたらどうしますか。 非常に優秀なネットワークエンジニアが退職することは、信頼できる単一の情報源を失うことでもあります。新しいエンジニアを採用、配置、トレーニングして組織を再構築するには、気の遠くなるような時間と労力が必要となることが少なくありません。 問題 現在、ネットワークに関するこの「信頼できる単一の情報源」を、エンジニアたちは非常に頼りにしています。新型コロナウイルス感染が拡大する中、さまざまな業界で非常に多くのエンジニアが退職しました。その目的は、新たな挑戦をする、新しい環境にトライする、仕事と生活のバランスを改善する、あるいは、単により高い収入を求めるなど様々です。サプライチェーンの問題に加え、大量退職と、それに伴う人材不足により、リーダーたちは、型にはまった考え方は捨て、優秀な従業員を維持するための戦略を再評価せざるをえなくなりました。 解決策 チームの全員を花形エンジニアにします。そのためには、信頼できる単一の情報源は数名のエンジニアという考え方は捨て、ガードレールとテンプレート、自動化された保証、セルフでの文書作成と検証の機能を備えた新しいツールを用意して多くのエンジニアが利用できるようにします。最も重要なのは習得が容易で、すべてのハードウェアベンダーで利用できるツールを用意するということです。 SDN(Software Defined Networking)の時代に得た教訓があるとしたら、ネットワーク運用を一元化することには意義があるということです。ネットワークを一箇所で運用すれば、よりシンプルになるだけでなく、そこが信頼できる単一の情報源となる、そのツールを構築するための論理的な場所にもなります。SDNと聞いて思い浮かべるのは、耐障害性に優れた高性能のネットワークを構築するには、分散ネットワークが最適ということに変わりはないということです。このため、ネットワークを分散する技術を引き続き利用する一方、運用を一元化することで運用を簡素化し、信頼できる単一の情報源を構築する必要があります。 IT部門にできること ITを簡素化する:責任者は、繰り返しに適した設計とアーキテクチャを備えており、経歴と年齢を問わずすべてのネットワークオペレーターが簡単に習得して利用できるソリューションを選択する必要があります。インテントベースネットワーク構築と自動化を活用することで、迅速かつ確実にサービスを設計、構築、導入、運用できるようにし、業務のニーズとイノベーションのスピードに遅れないようにします。 運用を見直す:自動化と速さより重要なのが信頼性です。道を間違えたら、速くても意味がありません。設定を自動化しても検証しなければ、自動化は危険なものとなります。繰り返し可能な運用を実現し、高速かつ自動化が可能で、さらには途中で変更内容を検証できるツールを、IT部門の責任者は選択する必要があります。このようなツールは、実施した変更内容に問題があった場合に、即座にロールバックする機能を備えている必要もあります。このようなツールがあれば、チームの全員が運用の中核を担えるようになり、技術者の1人が退職しても業務のスピードが落ちることはありません。 技術要件を再検討する:スタッフの不足とサプライチェーンの問題により、ベンダーロックインという問題がかつてないほど明白になっています。現状に疑問を持ち、イノベーション、指標、可用性に基づいてベンダーを選択する柔軟性が企業には必要とされていることを認識すべき時です。ITチームにとって最も困難な障害は、各種のベンダー技術を管理できる人材をトレーニングし、つなぎ留めることです。あらゆるベンダーのCLIを使いこなすエンジニアを見つけるのはほぼ不可能です。そこでIT部門の責任者は、特定のベンダー技術の複雑さを抽象化するツール(1つのツールですべてを管理)を選択することで、ITチームの業務成績を大幅に高め、市場投入までの時間を大きく短縮できます。 最新のデータセンターを導入する:IT部門の責任者は、性能と信頼性を備え、自動化が可能で、定型的な構成要素に導入して規模にかかわらず簡素化ができるアーキテクチャを導入する必要があります。最新のアーキテクチャであれば、マルチベンダー戦略が考慮され、オープンスタンダードをベースにしたものであるはずです。また、管理とトラブルシューティングが簡単で、エンジニアがより効率的に作業ができます。独自仕様のアーキテクチャとプロトコルは導入すべきではありません。それに束縛されてしまい、オープンスタンダードに比べ、機能が追加されることがまれだからです。 前述したものすべてを達成する: ジュニパーネットワークスは、最新のデータセンターアーキテクチャにおけるリーダーです。EVPN/VXLANなどのオープンスタンダードを利用して、拡張性と耐障害性に優れたデータセンターファブリックを構築します。こうしたオープンスタンダードを利用するため、マルチベンダー環境での運用が可能で、ベンダーロックインの問題は発生しません。 さらに、Juniper Apstraは市場で唯一の、マルチベンダー対応のインテントベースネットワーク構築ツールです。Day 0からDay 2以降まで、最新のデータセンターファブリックを設計、構築、導入、運用するために必要とされるあらゆる運用ツールを備えています。ApstraによってITチームは、「大量退職時代」を生き残るために、エンジニアにとっての信頼できる単一の情報源を繰り返しが可能なプロセスにすることができます。
企業の重要資産であるデータが、一元管理型/自己完結型のデータセンターから、複数の場所に分散したデータセンターに移動すると、どうなるでしょうか? 当然、管理やセキュリティの保持が難しくなります。 これはあらゆる企業が直面している課題です。企業はマルチクラウド戦略を採用し、ストレージやコンピュータをエッジに配置し、クラウドプロバイダはこの要求に応えるためのインフラストラクチャを構築しています。また、サービスプロバイダは5Gアーキテクチャや新しい収益化の機会をサポートするために、メトロサイトを分散型エッジクラウドに移行しています。 この環境の変化に対応するには、最新のデータセンターアーキテクチャが必要です。そのアーキテクチャとは、シンプルで一貫性があり、さまざまなハードウェア環境で容易に自動化可能なデータセンター運用を活用して、信頼できるパフォーマンスを提供するものです。またAIモデルのトレーニングなど、最も厳格なワークロードをサポートできるオープンでハイパフォーマンスなネットワークインフラストラクチャを備えたものです。データセンター内やデータセンター間のセキュリティを犠牲にすることなく、高いパフォーマンス、拡張性、信頼性、単純さを実現できるアーキテクチャです。 今日、これを実現する業界初のソリューションを提供しているのがジュニパーネットワークスです。ジュニパーはConnected Security Distributed Services Architectureを導入することで、その独自の革新的な機能により、根本的な変革をもたらしています。それらの機能は、統合セキュリティ管理パラダイムとクラス最高のルーティングおよびAI予測による脅威防止を統合することで、運用を簡素化するとともに、データセンターセキュリティに合わせて拡張します。さらに、受賞歴のあるジュニパーネットワークスSRXファミリーに、新たに4つのハイパフォーマンスのファイアウォールプラットフォームも追加しました。これは、1 RUのフットプリントで比類なきパフォーマンスを実現し、コストを大幅に削減し、持続可能なメリットを提供します。 これらの新機能により、セキュリティサービスとゼロトラストポリシーを分散型データセンター環境全体にシームレスに拡張でき、お客様はデータセンターアーキテクチャの移行をご自身のペースで進めることができます。ジュニパーの安全で自動化されたデータセンターのその他の重要な要素、Juniper Apstraデータセンターファブリック管理と自動化ソフトウェア、およびジュニパーQFXシリーズスイッチ、MXシリーズユニバーサルルーター、セキュリティポリシーを設定および管理するためのSecurity Director Cloudを組み合わせることで、企業は、最高のオペレータおよびエンドユーザーエクスペリエンスを目指して、データセンターインフラストラクチャ環境を最新化するために必要なすべてのツールを手に入れることができます。 ファイアウォールからファイアウォーリングへ 従来、セキュリティサービスの実装には、シャーシベースのファイアウォール、固定フォームファクターのファイアウォール、固定フォームファクターのルータの3つのアプローチがありました。しかし、いずれも理想的なアプローチとはいえませんでした。 従来のシャーシベースのファイアウォールは管理が簡単で、ある程度までは簡単に拡張できます。しかし、シャーシのサイズやコンピューティング能力には制限があり、デバイス自体が単一障害点となるため、冗長性にも限度があります。また、基本価格が高額なため、高コストになります。さらに、シャーシベースのシステムは多くのスペースと電力を必要とするため、メトロエッジやコロケーションファシリティへの導入には適していません。 固定フォームファクターのファイアウォールは、フットプリントが小さく、水平方向への拡張性に優れています。しかし、ネットワークに接続するデバイスの数が増えると、管理が急激に複雑化します。また、アップグレードが大変で、セキュリティサービスを有効化するとフォワーディングパフォーマンスが低下します。実際、従来のセキュリティベンダーのデバイスでは、ハイパフォーマンスと高度な脅威防御を両立できないため、多くのユーザーが高度なセキュリティ機能をオフにせざるを得ません。これは、多くのお客様が、ゼロトラストデータセンターを構築するためにジュニパーのソリューションに目を向けている理由の1つでもあります。 固定フォームファクターのルータは、フットプリントが小さく、フォワーディングパフォーマンスは高いのですが、セキュリティデバイスに依存しないかぎり高度なセキュリティサービスはないため、管理がより複雑化します。 従来のデータセンターの分散化を進めるうえで、ファイアウォールを自己完結型エンティティから、ネットワークのすべての接続ポイントを防御するセキュリティファブリックに進化させる必要があります。より具体的には、容量やデータパスによって制限されたデバイスから、ネットワークのニーズに合わせて、データの存在するすべての場所にインテリジェントかつダイナミックに拡張できる、拡張可能な適用ノードにする必要があります。 Security Director Cloudによって管理される、ジュニパーのConnected Security Distributed Services Architectureがそれを実現します。ジュニパーは、以下の独自の機能を提供することで、業界をファイアウォールからファイアウォーリングへと変換しています。 拡張性:シャーシの制限なしに、必要に応じて水平方向に柔軟に拡張できます。すべての分散型ファイアウォールが1つのファブリックとして連携して機能し、マルチパスの冗長性により、耐障害性の自動化を実現できます。1つのファイアウォールで障害が発生した場合は、自動的にロードバランシングが行われ、他のファイアウォールがカバーします。 簡素化:分散型ファイアウォールエンジンの数を問わず、すべてを単一の論理要素として管理できます。各サイトに適したフォームを展開でき、シャーシに仮想サービスカードを追加するかのように、すべてを同じ方法で管理できます。Juniper Security