従来のWANモデルは、ここ数年で劇的に変化してきました。パンデミック以前のWANは、オフィスで働く従業員に対し規模やタイプ、レベルの異なる複数のデータセンターに分散している情報やアプリケーションを提供するために、幅広く利用されていました。 現在では、あらゆる従業員が、時間や場所を問わず、一切の制限やサービス品質の低下に直面することなく、業務を遂行できることが求められています。今日の最新のITおよびネットワーキング環境は、クラウドファーストであることに加え、以下に挙げるすべてをサポートするものでなければなりません。現代の企業をサポートするためには、WANを進化させる必要があります。そこで役立つのがAI(人工知能)です。 複雑さへの対応 WANの大きな特徴の1つが、ネットワークトラフィックおよびサービスに対する可視性と制御性です。この可視性と制御性は、重要なトラフィックを適切なタイミングで適切な場所に誘導するために必要となるものです。ネットワークトラフィックとパフォーマンスの最適化は、エンドユーザーエクスペリエンスの保護と優れた満足度につながります。 ご存じのとおり、現代のネットワークはますます複雑化しています。デバイスや接続の数は飛躍的に増えているため、それに合わせてネットワーク管理も改善しなければなりません。 デバイスや接続の数は、一般的なネットワークチームには対応できないほどのペースで増加しています。ただでさえ複雑なネットワーク構造を管理しながら、こうした増加状況にリアルタイムで対応するためには、AIの導入が不可欠です。 トラフィックルーティングの改善 ネットワーキングの良し悪しは、どのようなエンドユーザーエクスペリエンスを提供できるかによって決まります。ジュニパーネットワークスはそのことを理解しています。情報やアプリケーションを遅延なく、すぐに利用できるかどうか。ビデオ通話で遅延や切断は発生していないかどうか。ネットワークは従業員の効率的/効果的な業務遂行を可能にしているのか、それとも業務遂行の妨げになっているのか。そうした点がカギになります。 ここで絶大な効果を発揮するのがAIです。AIを活用してトラフィックに適切に優先順位を付け、効率的にルーティングすることで、エンドユーザーエクスペリエンスを強化(および保護)できます。AIを統合することで、特定のタイプのトラフィックを優先することや、問題の兆候(サービス品質の低下など)を監視し、ネットワークチームに通知することも、あるいはAIが自ら修正することもできるようになります。AIは、関与した不確定要素に対する理解を時間が経つにつれて深めていきます。そのため、典型的な状況の原因と結果を把握して事前に調整を行うなど、予測的なアクションを取ることも可能になり、予防策を講じることもできるようになります。 ネットワーク、サービスレベル要件、ユーザーのニーズ、トラフィックの最適なルートなどを理解したうえで、そのすべての最適化を行うのは大変な作業です。AIを活用して問題をより管理しやすいものにすれば、ネットワークチームはもっと重要な問題に取り組めるようになります。 運用の改善 ITおよびネットワーキングチームは、トラフィックパスの選択、セキュリティアラートの確認、問題のトラブルシューティングなど、自社ネットワークの細かい運用作業に忙殺されています。ネットワーキングチームの仕事量は増える一方であり、この負担を少しでも軽減できるネットワークが必要とされています。AIを活用すれば、拡大し続ける複雑なネットワークを管理しやすくなるだけでなく、セットアップや修理などの作業も高速化できます。 AIはプロビジョニングでも役立ちます。機器の展開を最適化するうえでの手助けになるばかりか、新規サイトやサービスによるシステムへの不正接続に関してアラートを発信します。また、このような不正接続の試みを隔離、通知、防止することもでき、新たに追加された機器や機能に基づいて新しいポリシー定義を調整や適用することもできます。 ネットワークの問題を迅速に診断して修正できることも、AIを活用するメリットの1つです。問題やアラートが発生すると、ネットワーキングチームはまず、そのアラートが直ちに対応が必要な重大な問題かどうかを判断します。次に、問題の根本的原因を特定して、隔離し、修正します。しかし、企業ネットワークの成長と拡大に伴い、問題(およびアラート)の数も増加することとなります。企業ネットワークの拡大に合わせて、社内のネットワーキングITチームの規模も拡大することはほとんどありません。つまり、既存のチームでは対応できないほどの量のアラートが発生することになります。 AIを導入すれば、AIがアラートを確認し、重要なアラート、すぐに対応の必要のないアラート、誤検知などを分類します。十分にトレーニングされたAIなら、問題を自ら調整/修正することもできます(ネットワークの帯域幅を増やすなど)。運用プロセスにAIを導入する大きなメリットの1つが、あらゆる問題の修正を迅速化できることです。アラートとは、問題が発生した際に、その問題の内容を大まかに伝えるものでしかありません。AIは、問題の詳細(遅延やビデオ通話切断の原因など)に加え、修正手順も正確に教えてくれます。 展開と管理の作業が簡略化されれば、導入期間や修正期間を短縮でき、時間のかかる反復的な作業からネットワークチームを解放できます。 Juniper SD-WAN driven by Mist AI ジュニパーのAIドリブンSD-WANテクノロジーにより、現代の最新ネットワークにAIを導入し、エンドユーザーとITのユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。AIを通じて企業の高速化と効率化を推進する方法の詳細については、次のオンデマンドオンラインセミナーをご覧ください。 SD-WANの再定義に関するオンラインセミナーシリーズパート1:Nemertes Researchのジョン・バーク氏に聞くSD-WANにおけるAIの導入事例(英語)。 また、AIドリブンSD-WANの導入事例については、隔週開催のオンラインセミナー(開催時間はEMEAおよびAMER向け)をご覧ください。
私は、ジュニパーネットワークスが毎年公開しているCSR(企業の社会的責任)レポートをいつも楽しみにしています。ジュニパーの製品がどのようにして市場に投入され、世界中のお客様が抱える技術的課題を競合他社よりも効果的に解決しているのか、これを成し遂げるのは容易ではありませんが、それを進めるのが私の主な仕事です。しかし、それだけではありません。ジュニパーが優れた企業市民として運営されていることを確認するのも、私の重要な仕事になります。 優れた企業市民であるためには、地球の環境を保護し、当社の事業運営の信頼性とガバナンスを強化し、従業員が誇りに思えるような組織を築くなど、重要な責任を果たさなければなりません。 ジュニパーの2023年度のCSRレポートでは、当社がこの責任をいかにして果たしているのかについて取り上げています。その例を紹介します。 ジュニパーはEthisphereからの評価を獲得し、2023 World’s Most Ethical Companies™の1社に選出されました。この分野の栄誉あるグローバルリーダーにジュニパーが位置づけられたのは、今回で5回目です。 ジュニパーは世界中のサプライヤに対して、サプライチェーンのカーボンフットプリントを2025年までに10%、2030年までに25%(2021年比)削減することを掲げています。 ジュニパーは、競合製品と比較して消費電力が最大77%削減されるJuniper® ACX7000シリーズCloud Metroルーターをリリースしました。 今年のレポートでは初の試みとして、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に従って、リスクと機会を開示しています。 インドのExcellence Centreのオフィスや研究所では、カルナータカ州チトラドゥルガにある太陽熱発電所により、プロジェクトのライフタイムを通じて約57万トンの二酸化炭素排出量の削減を見込んでいます。 ジュニパーは、Juniper Career Connect(JCC)という名称の新しいプラットフォームも公開しました。このプラットフォームにより、ジュニパーの従業員は社内のメンターと関係を築くことや、社内で公開している求人への応募、社内のギグワーク(単発の仕事)への挑戦などを行うことができます。JCCは公開から3か月で、4,000人以上のユーザーと100人以上のメンターが利用しています。 このような例が記載されたレポートを読むと、ジュニパーの変革と改善のために世界中で献身的に取り組んでくれているジュニパーのイノベーターたちに対して、誇りと感謝の気持ちでいっぱいになります。 ただし、このレポート自体は最終目標ではなく、目標達成を祝福するものでもありません。 ジュニパーはCSR戦略における進捗状況に満足していますが、やるべきことがまだ多く残されていることも自覚しています。企業としての責任を果たしながら、人々をつなげて変革をサポートするという当社の使命に向けて今後も取り組んでいきます。 ジュニパーは、CSRに真剣に取り組まない企業は必ず失敗すると考えています。今日の世界では、製品を出荷して業績をウォール街に報告するだけでは、事業は運営できません。ジュニパーが企業として事業を運営し、エクスペリエンスファーストネットワーキングを提供することで人のつながり、仕事、生活に変革をもたらします。そのCSR戦略は極めて重要な存在となります。このCSR戦略は、当社の成功を後押しする重要な意思決定の指針でもあります。当社の掲げる目標や、従業員、パートナー、お客様が当社の中核的な使命と考える価値観を遵守するための指針となるものです。最新のCSRレポートでは、レポートの対象期間中にジュニパーがいかにしてその価値観を体現し、使命を達成してきたかを紹介しています。 CSRレポートもぜひご確認ください。また、こうした問題に対する貴社の取り組みについてもぜひご意見をお聞かせください。 その他のリソース 究極のデジタルエクスペリエンス:より良い地球のために(英語) アースデイ2023のその先へ:エネルギーの節約と無駄の削減はみんなの責任(英語) 気候変動と持続可能性
データセンターネットワーク関連では、新しいソリューションが毎年のようにリリースされているにもかかわらず、私たちは依然として大きな課題に悩まされています。つまり、既存のテクノロジーに新しいテクノロジーを追加するとデータセンターファブリックがますます複雑になり、制御が困難になるという問題です。また、こうしたインフラストラクチャの無秩序な拡張に対応できる開発者やエンジニアが絶えず必要にもなります。とはいえ、スキルに優れた人材を見つけることも困難です。加えて、企業は俊敏性を向上させ、継続的に成長してイノベーションを推進し、市場で勝ち抜いていかなければならないという熾烈なプレッシャーにもさらされています。 このような問題の解決に役立つと主張する自動化ツールはいくつかありますが、自動化を成功させるうえで最重要な要素に対処できているわけではありません。すなわち、ユーザーという要素です。ジュニパーネットワークスの自動化は、その最重要な要素に重点を置いています。Juniper® Apstraは、エクスペリエンスファーストのデータセンター自動化に焦点を当てた、 インテントベースでマルチベンダーのファブリック自動化ソリューションです。直観的なグラフィカルインターフェイス、コーディング不要のテンプレート、再利用可能なブループリントにより、プログラミングやCLI(コマンドラインインターフェイス)に関する高度な知識がなくても自動化を活用できます。最新のApstraでは、さまざまな改良と統合により、さらなる自動化を推進しており、クラウドと同じくらい簡単にプライベートデータセンターを運用できるようになっています。 今回のApstraの最新のリリースでは、以下が実現されています。 自動化のエクスペリエンスの向上:改良された新たなUI(ユーザーインターフェイス)と自動化されたDCI(データセンターの相互接続) 可視性の向上:マルチベンダーのフローデータ分析およびインテントベース分析により、パフォーマンス、セキュリティなどを最適化 高速で信頼性に優れたデータセンター運用:Juniper Validated Design(JVD)を使用 簡易性と一貫性が向上したクラウド制御:さまざまなサードパーティツールを統合クラウド管理フレームワークに組み込むことが可能 これらにより、これまで以上に効果的に自動化を推進できます。急成長中の自動化ソリューションとして、Apstraが市場で評価されている理由はそこにあります。 より優れた自動化エクスペリエンスの実現 自動化ツールの中には、実際には使用するユーザーではなく、プロの開発者向けに設計されていると感じるものが数多くあります。それらは、いうなれば複雑な「DIY」ツールであり、このようなツールを利用するには、多層アーキテクチャ、各種のテクノロジやプロトコル、高度なプログラミング言語、CLIなどに関する幅広い知識が必要とされます。最近のAnalysys Masonの調査によると、データセンターネットワークの自動化に投資している組織のうち、こうしたDIYツールを選択した組織の55%が、最初からやり直せるとしたら別のソリューションを選択すると述べています。一方、独自仕様の自動化ソリューションを提供するベンダーもいます。このようなソリューションを選択すると、ベンダーロックインになるか、同じベンダーの機器を使用しないと相互運用性を確保することが困難になります。自動化がベンダーロックインのための新たな手段となっている事例は多々あります。 Apstraは異なるアプローチを採用しており、次の特長を備えた自動化を実現します。 高い信頼性:実際のデータセンターにおいては、予測可能性と再利用可能性がスピードの決め手となります。Apstraでは検証済みのテンプレートとガードレールが用意されているため、初回から適切に自動化を設計でき、アーキテクチャのブループリントを安心して再利用できます。 インテントベース:Apstraは、インテントベースネットワーク構築の業界におけるパイオニアです。チームは「実行内容」(「新しいサーバーのセットアップ」など)に専念し、「実行方法」のほうをApstraに任せることができます。こうしてApstraがダイナミックにネットワークを構成し、目的の状態を達成します。そのため、ネットワークに関する広範なトレーニングを受けなくても、高度なプログラミングスキルがなくても、誰もが自動化を構築して使用できます。 マルチベンダー:Apstra独自のマルチベンダー機能は、お客様に比類ないメリットをもたらします。ハードウェアの価格交渉力が向上するだけではありません。任意のベンダーのデバイスを使用できるため、独自仕様のインターフェイスやCLIについて学ぶ必要はありません。そのため、すべてのユーザーがApstraを活用でき、全体的なパフォーマンスが大幅に向上します。また、特定のベンダーの機器に精通したエキスパートを採用する必要がないため、雇用の柔軟性も向上します。さらに、サプライチェーンの遅延に妨げられることがないため、拡張に要する期間も短縮できます。基盤となるファブリックに関係なくデータセンターを設計できるため、Apstraのお客様の中には、RFP(提案依頼書)の作成後、最も短期間で対応できるベンダーを選択して発注するお客様もいます。 セキュア:Juniper Connected Securityポートフォリオはデータセンターに緊密に統合できるため、お客様は他のベンダーのソリューションではできないような方法で自動運用の範囲を拡大できます。さらに、ゼロトラストデータセンターを導入することで、スイッチ、ルーター、ファイアウォールを含むすべてのネットワーク接続ポイントにわたって、ユーザー、アプリケーション、データ、インフラストラクチャを保護できます。 こうした既存のメリットにさらにApstraの新たに強化された機能が加わることで、プライベートデータセンターをクラウドと同じように簡単に運用できるようになりました。 新機能:クラウドの俊敏性をプライベートインフラストラクチャで実現 パブリッククラウドは今や、自動化された俊敏なIT管理を実現するうえでの新たな標準的存在となっていますが、どのような目的にも適しているわけではありません。利用したことのある人なら、クラウドのコストが瞬く間に膨れ上がることを知っているはずです。また、セキュリティやデータ主権の要件が極めて厳しいワークロードにも不向きです。そのため、ほとんどの組織は現在でもプライベート環境やハイブリッド環境を利用しています。しかし、これらの環境はシンプルさとスピードの点でハイパースケールクラウドにかないません。そこで出番となるのがApstraです。 以下のような新機能と機能強化により、Apstraではパブリッククラウドと同等の自動化エクスペリエンスをプライベートデータセンターで実現できます。パブリッククラウドと同じくらい迅速かつ簡単に新しい環境をスピンアップして、利用を開始できます。 簡素化されたユーザーエクスペリエンス:Apstraの使いやすく直感的なインターフェイスがさらに改良され、メニュー、ウィザード、グラフィック表示の操作がより一層簡単になりました。すぐに利用可能なデバイスプロファイルとインターフェイスマップ、インタラクティブなラック設計インターフェイス、ゼロタッチプロビジョニングなどの機能が豊富に用意されており、最小限の時間で操作方法を習得できます。経験の少ないスタッフでも、熟練のエキスパートのように迅速にデータセンターを自動化できます。 統合DCI:Apstraでは、シームレスなVXLAN(仮想拡張LAN)トンネルのスティッチングによるDCI(データセンターの相互接続)の自動化がサポートされているため、複数のデータセンターを1つのプライベートクラウドに簡単に統合できます。再利用可能なテンプレートを使用して、標準化された構成をデータセンター全体に迅速に導入するとともに、各地にある重要なビジネスアプリケーションを容易につなげることができます。また、このDCIの自動化により、障害のあるドメインを隔離して障害の影響範囲を縮小できるため、可用性と耐障害性も向上します。 テレメトリ、分析、マルチベンダーフローデータの強化:Apstraの強力なグラフデータベースとIBA(インテントベース分析)フレームワークがさらに強化され、収集したテレメトリをカスタマイズして、あらゆるネットワークデータを可視化できるようになりました。マルチベンダーデバイスやネットワークを通過するアプリケーションフローの正常性とパフォーマンスが詳細に可視化されるようになり、コーディング不要のUIを使用してその内容を確認できます。そうして取得したインサイトにより、トラブルシューティングの迅速化、セキュリティやコンプライアンスの問題の特定、データドリブンな意思決定によるパフォーマンス、容量、コストの最適化を実現できます。 Juniper
IT運用チームの能力を補強するためにAI(人工知能)を使用することが増えてきています。これは一般的に、AIOpsと呼ばれています。AIOpsに激しく抵抗を示すITチームもあれば、熱心に支持するITチームもあります。では、どうしてAIOpsを導入すべきなのでしょうか? 企業にとって、またITチームに所属する個人にとって、AIOpsはどのような意味を持つのでしょうか? まずは、誰も触れたがらない話題を取り上げましょう。他の業界でデジタル化が労働者に大混乱をもたらしていることを考えると、AIOpsの導入によって仕事をコンピューターに奪われるのではないかとITチームが警戒感を抱くのは理解できます。 ITチームの皆さん、ご安心ください。AIOpsを導入しても、ロボットがあなたの仕事を奪うことはありません。実際は、その反対といえるでしょう。 AIOpsは長年の間、形を変えながらも身近に存在していました。AIOpsがバスワードのようになったのは数年前のことで、それ以降、ジュニパーをはじめとする大手技術系ベンダーのポートフォリオの一部となっています。AIOpsの導入理由と方法に関してはデータが存在しており、拡張と迅速な成長の双方に対処しなければならないことがAIOpsの採用を後押ししていることは明白です。人員の削減を望んでいるためではありません。 人間の限界 人間が記憶できる情報の量には限界があり、どれだけの数の変数を追跡できるか、新しい問題にどれだけ早く対処できるかという点でもそれは変わりません。ある程度までは、チームに人員を追加することで個人の限界に対処できます。しかし、あくまで「ある程度までは」にすぎません。 システムの複雑さが一定のレベルを超えるか、あるいは複雑化が急速に進むと、チームを増員しても助けにはなりません。ITにおいてはシステム思考が必須です。そしてシステム思考には、変数のほとんど(すべてとはいわないまでも)を記憶する能力が必要とされます。こうした限界は、チームで担当を分担することである程度回避できます。ただし最終的には、誰かが、あるいは担当するグループが、全体を把握して、今の状況を推し進めた場合にどのような変化が生じるかを理解しなければなりません。 状況があまりにも複雑だと、私たちは抽象化を行います。管理インターフェイス、自動化、オーケストレーション、可視化、分析、レポートが最新のITチームのツールです。ストレージ、コンピューティング、ネットワーキングといったさまざまなレベルで複雑さが抽象化されます。それは大規模なITチームが定期的に、プログラムを利用して大規模に仮想データセンター全体を作成して壊すようなものです。 ただし、何層にもわたるこのような抽象化には、システムに徐々に及ぶ変化の影響が不明瞭になるという問題点があります。ストレージを好きなだけ抽象化することはできますが、SAN(ストレージ エリア ネットワーク)の動作に問題を発生させ、実稼働環境にインパクトを与える可能性が残ります。 テクノロジーの成熟度が増すほど、こうした問題に直面する頻度は低くなります。結果として、実際に問題に直面したときに、その問題がさらに不明瞭なものになっているか、あるいは発生頻度がきわめてまれになっているかのいずれかとなり、問題解決の難度は上がります。 ITチームの補強 複雑さ、成長、拡張に対処するために抽象化を利用できるようになると、そのために用いる管理ツールに応じて知識のギャップが生じます。AIOpsのテクノロジーはそうしたギャップを解消します。AIOpsのAIはすべて、さまざまな形で「正常」と見える状態を学習し、異常と見える状態になるとこれに懸念を抱きます。この点で、AIOpsのAIは、従来のSIEM(セキュリティ情報およびイベント管理)システムによく似ています。 ただしSIEMは、問題が発生したときにアラートを発するだけです。AIOps製品は、ジュニパーネットワークスの仮想ネットワークアシスタント「Marvis」を含め、問題の内容だけでなく問題の解決方法も記録します。Aの動作がXに似ている場合、Yソリューションを適用すると問題が解決する、ということを学習します。そしてAIは、数年間同じ問題が発生しなくても、その問題と解決策を記憶しています。 ITチームもまた、チケットシステムを使用して、これと同じことを数十年間行ってきました。残念ながらチケットシステムは検索に依存します。つまり、適切なメタデータやセマンティックタグといった要素が重要になります。必要なデータが見つかるかどうかは、担当者が情報を正確に記録していることや、前回のインシデントでチケットの情報が詳細に記述されていることに左右されます。そして人間はドキュメントの作成が苦手です。 しかしAIOpsのAIは、ドキュメント作成に優れています。統計、ログ、チケット、ヘルプの問い合わせなど、所定のインシデントに関連するすべてのデータにアクセスできれば、特定のタイプのインシデントに関連付けられたものとして、そのすべてのデータを、AIが存在する限りいつまでも保存できます。異常が発生するたびに、AIはそれまでの学習内容のすべてを確認します。新たに発生したイベントが過去のイベントに似ていれば、解決できる可能性のある方法に関する情報をITチームに迅速に通知します。 実際便利かもしれないと思えるようになってきましたか? では気を引き締めましょう。状況ははるかに良くなっているのですから。 未来につながるAIOps ITチームのイベントから時間をかけて学習すれば、AIOpsのAIはますます便利なものになっていくでしょう。ただし、そこまで到達するにはかなりの時間がかかると考えられます。AIが大きめのデータセットに基づくトレーニングを必要とすることは常識です。AIOpsによって解決しようとしている問題の1つが、人間はドキュメントの作成が苦手だということであるとしても、チケットシステムのどこにAIを利用するか正確に指定することはできないため、魔法のようなことは起こせません。 ただし、AIの利用を1社の企業だけに制限しないとしたら、どうでしょうか? AIがあらゆる企業から学習するとしたら、どうでしょうか? そのAIの背後で、既知の問題に対するハードコード化された答えという形でも、またAIの向上に貢献しようとして参加した企業の助力を得ながらAIのナレッジベースを拡張していくという方法でも、ベンダーがナレッジを絶えず追加しているとしたらどうでしょうか? AIの機能は突然、飛躍的な成長を示し、ITチームは、過去に自社で発生した不明瞭なインフラストラクチャエラーの修正方法だけでなく、参加企業のすべてで発生した不明瞭なインフラストラクチャエラーの修正方法も参考にできるようになります。そして、ソリューションに一定の自信を持てるようになると、IT部門の介入なしで自動的に修正を適用するようにAIを設定できます。 こうしたことは、ITチームが以前に行っていた作業と関係するでしょうか? はい。しかしそれは、誰もが嫌い、明らかに苦手としている仕事の一部を自動化するという作業です。AIOpsは、人間の仕事を奪うロボットを意味する言葉ではありません。本来の仕事ができるよう繰り返しの作業から人間を解放し、人間だけでは対応できないようなより大規模で複雑な、より急速に成長するネットワークに企業が対処できるようになる製品を指す言葉です。 このシリーズのその他のブログ 実際のAIによる意思決定は常に第六感を上回る(英語)
今日、お客様はサプライヤーに対して、持続可能なビジネス慣行およびソリューションをこれまで以上に求めています。このような需要に応えるために最初に考えられるのは、どのようにエネルギーの消費効率を上げ、クリーン/再生可能エネルギー源を利用し、炭素排出量を削減するかということです。これは企業が持続可能性の目標に向けて踏み出す素晴らしい第一歩ではありますが、解決策の一部にすぎません。いくつかの調査により、再生可能エネルギーへの移行のみでは温室効果ガス排出量の55%しか解決できないことが示されています。ネットゼロ排出を達成するには、循環経済に移行して残る45%に取り組む必要があります。ジュニパーでは、お客様がこの重要な二歩目を踏み出し、持続可能性の目標を達成できるようサポートする製品ポートフォリオを用意しています。 循環経済とは何か、なぜそれが優れているのか 直線経済においては、資源を地球から抽出し、製品を製造および使用し、その廃棄物を埋め立て地に処分します。循環経済では、製品を使用後に回収し、最終的に埋め立て地に埋める代わりに再利用またはリサイクルします。循環経済であれば、廃棄物、汚染、地球の天然資源の採取が効果的に削減されます。環境汚染や廃棄物の負担が恵まれない地域社会や国により重くのしかかっていることが複数の研究で示されています。したがって、循環経済はグローバルな社会的平等も促進します。 価値と環境への影響の順に並べた循環経済原則の階層 循環経済において最善の成果を出すと、環境への影響を最小限に抑え、製品から回収される価値を最大化できます。その成果の階層は次のようになります。 メンテナンスとサポートにより製品の使用期間が延びる 最も価値の高い最終製品の状態で、製品の再利用を促進する 最終製品の再利用が不可能になった場合、製品の部品の再利用を促進する 貴金属やプラスチックをリサイクルして他の製品の製造に再利用する 持続可能な代替品がない状態にして、残った資材を処分する ジュニパーネットワークスの循環経済ポートフォリオ ジュニパーネットワークスは、お客様が循環経済への移行を開始して持続可能性の目標を達成できるよう支援するため、PureWrxと提携して、3つの価値のある循環経済プログラムを提供しています。これらのプログラムにより、お客様は、製品ライフサイクルのニーズの最初から最後まで、持続可能性を考慮して行動できるようになります。 Try & Buyプログラム PureWrxを通じて利用可能な、循環経済を活用したジュニパーのTry & Buyプログラムでは、お客様はジュニパーの最新テクノロジーを持続可能な方法でリスクなしに試すことができます。60~90日間のお試し期間の終了後、お客様は製品を購入して保持するか、元のパッケージでPureWrxに返送するかを選択できます。返品された製品はすべて再認定され、別のお客様または社内部門による再利用の対象になります。Try & Buyプログラムは、従来よりも早くお客様が運用を開始できるようになる優れた方法であり、その一方でこのプログラムによって、ラボ環境や評価環境でよく発生する電子廃棄物の問題が解決します。 ジュニパーネットワークス認定中古品(JCPO)プログラム ジュニパーネットワークス認定中古品(JCPO)プログラムは、ジュニパーの循環経済サービスを推進する原動力です。JCPOによりお客様は、新品同様の品質と安全性を確保するために厳格な再製造およびテストプロセスを経た、余剰製品または中古製品を購入できるようになります。最新のコンポーネントとソフトウェアアップデートはすべて適用済みです。JCPO製品にはジュニパーの保証が付いており、新品の製品と同じ世界クラスのJ-Careサポートを受けることができます。典型的なJCPOルーターまたはスイッチでは、20ポンドを超える電子廃棄物と1,000ポンドを超えるCO2排出量を削減できると見積もられています。現在までにJCPOプログラムは、1,000社を超えるジュニパーのお客様をサポートすることで、埋め立て地に捨てられるはずの電子廃棄物を推定合計66トン分、およびCO2排出量800万ポンド分の削減を実現しています。 持続可能な調達プログラム 持続可能な調達プログラムでは、お客様は環境への影響を最小限に抑えながら、中古製品の価値を最大限に活用できます。お客様は、PureWrxに直接問い合わせるか、ジュニパーのパートナーまたは担当者に連絡して、廃棄資産を対象にした割り引きサービスをPureWrxに申し込むことができます。PureWrxは、現金の形で割引サービスを提供することもでき、別のジュニパー製品(新品でかつJCPO製品)の購入時に使用可能なクレジットの形で提供して、価値をさらに高めることもできます。 ネットワークパフォーマンスを最大限に高め、環境への影響を最小限に抑える ジュニパーの循環経済サービスは、製品ライフサイクルのあらゆる段階で、企業に持続可能なオプションを提供します。これらのプログラムは、初めてジュニパーを使用するときでも、現在のネットワークインフラストラクチャを拡張するときでも、ジュニパーの最新テクノロジーに移行するときでも、企業がネットゼロの目標を達成するために次の一歩を踏み出すのをサポートするように設計されています。ジュニパーが行っているOEM認定プログラムであれば、品質やセキュリティを犠牲にすることなく循環経済への移行を進めることができます。
ネットワークの更新に投資する場合、段階的な改善が求められます。ビット当たりのコストを少し減らし、効率をわずかに高めるなど。何かによって企業の経済状態が大幅に変化することは滅多になく、実際のところ聞いたことはありません。しかし、パケット光コンバージェンスの時代が到来する中、これこそがクラウドプロバイダ、サービスプロバイダ、エンタープライズが期待していることです。 IPoDWDM(高密度波長分割多重方式上のIP)とも呼ばれる、IPルーターやスイッチに次世代コヒーレント光技術を直接適用する機能が新たな可能性の世界を切り開き、コンバージドIP-光リンクが、あらゆるメトロアクセス/アグリゲーション、エッジ、コアネットワークに、400G超の容量をもたらします。IPoDWDNはまた、従来は光ネットワーク保護として維持されていた膨大なアイドル状態のラムダを解放するため、IPをコントロールプレーンとして利用するコンバージドメッシュアーキテクチャをサポートし、50%以上の帯域幅を瞬時に開放します。さらに、多くのアプリケーションにおいて外部DWDMトランスポンダが不要になり、電力と容量の要件を大幅に軽減し、設備投資を削減し、管理を簡略化し、TCO(総所有コスト)を45%以上削減します。 これらは、業界を変革するような数字です。IPoDWDMは、大規模ネットワークを運用する企業に対し、企業の経済状態について再考する、一世代に一度の機会を提供します。ここで問題になるのは、いつ開始するか、またこれをサポートしてくれるのに最適な立場にあるのは誰かということだけです。最初問題の答えは「今すぐ」、2番目の答えは「ジュニパーネットワークス」です。 ジュニパーは本日、CORA(コンバージド光ルーティングアーキテクチャ)を発表しました。ジュニパーがIPoDWDM変革に関与するための包括的なソリューションです。CORAは、ジュニパーの画期的な400G ZR/ZR+/0-dBm標準プラガブル光インターフェイスと、400G対応ルーティング/スイッチングプラットフォームの業界屈指のポートフォリオとを融合させ、Juniper Paragon® Automationによりマルチレイヤー管理を簡略化したものです。CORAは、お客様が必要とするあらゆるところにおいて、帯域幅を大幅に開放します。またこれは、ネットワークやサービスの設計について知っていると思っていたすべてを変えることです。 IPoDWDM変革へようこそ CORAは拡張可能なIPoDWDMアーキテクチャで、IP光コンバージェンスのメリットを、非常に要求の厳しいユースケースにもたらします。CORAは以下のものを融合します。 拡張性に優れたアーキテクチャ:JCO(ジュニパーのコヒーレント光技術)400G ZR/ZR+プラガブルは、ネットワークとサービス設計の新しい可能性を切り開きます。標準のQSFP-DD筐体内の次世代光インターフェイスを使用すれば、プラガブルを組み合わせて連携し、同じラインカードでさまざまな範囲やビットレートをサポートできます。これによってプラットフォームの容量が犠牲になることはありません。CORAにより、IPoDWDMは急遽、メトロ、地域、コアネットワークのより幅広いユースケースにおける現実的な選択肢になりました。 持続可能なシステム:ジュニパーの400G対応ルーターとスイッチの幅広いポートフォリオが、システムの容量と寿命の標準を規定します。ジュニパーのACXシリーズ、MXシリーズ、PTXシリーズ、QFXシリーズの各プラットフォームは、シリコン市場とシステム変革をリードし、より省スペースで高い電力効率を実現し、高パフォーマンスを推進します。また、ジュニパーによる光インターフェイスの継続的な革新により、今日の400Gトランスポート容量のメリットを享受し、将来は800Gを超えるメリットを享受できます。 インテリジェントな自動化:ジュニパーのParagon Automation Suiteにより、IP-光コンバージェンスを最大限に活用し、ネットワーク運用を簡略化できます。Paragonは、CORAソリューションのオープンで標準準拠の管理APIを使用し、マルチベンダー環境におけるさまざまなライフサイクルネットワーク運用を自動化し、サードパーティーの管理システムと相互運用し、マルチレイヤーを可視化します。 図1. ジュニパーのCORA(コンバージド光ルーティングアーキテクチャ)の概要 CORAは、統合ソリューションのこれらすべての機能を融合させることで、新しいネットワークやサービスの導入を迅速に追跡し、収益化までの時間を短縮できる俊敏性をもたらします。ネットワーク全体での電力使用量と二酸化炭素排出量を削減し、IPドメインと光ドメイン全体の運用を簡略化、自動化できます。また必要に応じて、帯域幅に対する飽くなきニーズを、はるかに低コストで満たします。 CORAで新たなユースケースを開放 ジュニパーの400G ZR+プラガブルは、より強力な光オプションと新規チャネル化オプションが特長で、さまざまな距離やビットレートのあらゆるメトロ、地域、またはコアネットワークに対応します(図2)。例えば、JCO400 ZR+光インターフェイスは、500 km超のメトロ400G DWDMリンク、900 km超の地域300G DWDMリンク、2,000 km超の長距離200G DWDMリンクをサポートできます。また、高送信電力の新規OpenZR+ 0-dBm光インターフェイスにより、ファイバーの予算を大幅に削減しながら、ネットワークにコヒーレントプラガブルを導入できます。これには何百キロに及ぶROADMインフラストラクチャが含まれます。これらはスタンダードベースの、再設定可能な光インターフェイスのため、全体を再構築することなく、新たな要件やユースケースに対応するためにプログラムを作り直せます。 図2.
2000年代前半、ネットワークアクセスコントロール(NAC)が登場したとき、その目的は比較的単純なものでした。つまり、社内のプライベートネットワークで会社所有のコンピュータやラップトップを認証、許可することで安全なアクセスを実現する、というものでした。 このようなネットワークの拡大に対応するため、オンプレミスのNACプラットフォームには、ハードウェアの処理能力をより多く必要とする新機能が追加されましたが、設定作業や管理のための監視作業の複雑さも必然的に増すこととなりました。 今日のNACソリューションには、以下に示すような課題があります。 20年前のモノリシックなコードによる不安定で複雑なプラットフォーム トラブルシューティングが面倒 ユーザーエクスペリエンスにつながる可視化を取り入れた設計ではない 今日の拡大するネットワークに必要な俊敏性と拡張性が欠如している メンテナンス、機能アップデート、セキュリティパッチの適用には、ダウンタイムと技術的な専門知識が必要 NACが過去のオンプレミスから抜け出せないまま、他のネットワークアーキテクチャはクラウドに移行しました。ジュニパーのMist AIアーキテクチャは、AIドリブンでの自動化とインサイトを備えたシンプルなネットワーク運用と、マイクロサービスクラウドの俊敏性と信頼性を組み合わせて、最適化されたユーザーエクスペリエンスを提供します。これにより、ITチームは業務を効率化し、ユーザーやデバイスのトラブルシューティングを手間なくできると同時に、新しいビジネス目標をサポートする革新的で戦略的なソリューションを提供できるようになります。 さらに、ネットワーク運用のクラウド化に伴い、IDプロバイダサービス(IDP)もクラウド化されています。IDPが一元化されたID管理に移行した理由は、クラウドセキュリティ、拡張性、信頼性、リモートIDプロセスの実現、購入して管理するソフトウェアやハードウェアがないことによるコスト削減など、いくつか挙げられます。 では、NACの次のステージはどうなるのでしょうか。レガシーソリューションのソフトウェアとハードウェアの問題を解決し、真のマイクロサービスベースクラウドのパワーを活用する時が来ました。 NAC向けの最新クラウドの導入:Juniper Mist Access Assurance ジュニパーは、Juniper Mist AIドリブンエンタープライズポートフォリオの最新の拡張機能としてJuniper Mist Access Assuranceを発表しました。これにより、ネットワークアクセスコントロール(NAC)にパラダイムシフトがもたらされます。Access Assuranceは、オンプレミスNACの課題を解決し、安全なネットワークの認証と許可を簡単に導入できるクラウドベースのNACサービスです。 オンプレミスのNACを排除することで、セキュリティと機能の自動更新とバグ修正が提供されるほかに、クライアントからクラウドまでのユーザーエクスペリエンスの効率化、固有の高可用性サービス、優れた耐障害性を実現できます。シンプルで安全性と拡張性が高く、アップグレードのためのダウンタイムがなく、Aruba ClearPassやCisco ISEなどのレガシーソリューションの複雑さと拡張性の低さが解消されます。 Access Assuranceは、ジュニパーが2022年にWiteSandを買収し、同社のクラウドネイティブなNACテクノロジーの経験を生かして誕生しました。WiteSandのテクノロジーをAIドリブンのJuniper Mistクラウドサービスと統合し、ゲスト、IoT、BYOD、企業の端末をオンボーディングするための柔軟でシンプルな認証ポリシーフレームワークを備えたアクセスコントロール機能のフルスイートをユーザーに提供しました。 フルスタック統合による運用の簡略化 Access
コアキャンパスに関する主な懸念事項 キャンパスの形状や規模は多岐にわたります。しかし、1つだけ共通点があります。それは、どのキャンパスもITサービス提供の簡略化を目指しているということです。最適な運用と優れたユーザーエクスペリエンスは謳われることこそ多いですが、必ずしも実現しているとはいえません。キャンパスのデジタルフットプリントの全ライフサイクルにおいて、まずは運用体制の準備と維持を目標とすべきですが、継続的にオペレーショナルエクセレンスも目指すべきです。しかし、新しい「グリーンフィールド」環境に刷新する場合においても、既存の「ブラウンフィールド」環境を拡張して強化する場合においても、複雑さが不利に働き、負担を増やす原因となります。 モビリティ、信頼性、パフォーマンスを中心とするサービスレベル期待値の上昇に伴い、デジタルサービスとその依存関係の管理、監視、トラブルシューティングはさらに難しくなりつつあります。テクノロジーとデジタルワークフローは、悪影響がコスト以外にも及び、従業員の満足度、セキュリティ、ときには安全さえもリスクにさらされる可能性があることから、注目を集めています。 成功を収めるには、スマートなアプローチとインテリジェントな手法によって負担を最小限に抑え、エラーを削減し、サービス提供のスピードアップを図ることが必要です。そして、そのカギを握るのがキャンパスネットワークアーキテクチャとそれを管理するプラットフォームです。 行動起こすべきタイミングはDay 0 導入要件の収集は不可欠なタスクです。機能の要件と機能以外の要件、フレームのセキュリティ、コンプライアンス関連の問題など、すべての土台となるからです。ポリシー適用、監視、可観測性といったものすべてがアーキテクチャと設計の選択に影響します。たとえ過去のことから選択肢に制約が生じても、オーバーレイとインテリジェントなオーケストレーションを使用する新たなアプローチを採用すれば、設計が簡略化し、正しい選択をしたという安心感が関係者に生まれます。 最新のプラットフォームを使用すれば、設計ステージをスピードアップして従来よりも迅速に反復できるため、制約の見極めと問題解決が早まります。自動化によって構築されたプロトタイプとシミュレーションを使用することで、目的に合った構成を事前に生成してシステムとの対話をテストできます。物理デバイスを購入しておく必要はありません。プロトタイプを迅速に作成して早期に検証しておくと、ラック、スタック、ケーブルのサポートを誰が行っても、導入は迅速化します。 目標、課題、結果のアシュアランス 次に何が起きるかを知りたがり、それを決定したくなるのは人間の本性です。プロジェクトの次のステップと想定される結果をコントロールしたいという気持ちや、少なくともある程度は確信したいという思いは、人間同士の関係やリスク管理の基礎を成しています。私たちは、長期的な信頼関係を築くために、選択したシステムとプロセスにある程度のアシュアランスを求めます。チームで信頼でき、反復でき、より迅速なワークフローを使用すれば、より良い意思決定を下し、優先事項の上位20%により多くの時間をかけることができます。 信頼できる自動化とAIを問題のある領域に活用すれば、自分自身と他の人に自信を持ってアシュアランスを提供できます。この自信は、システムが要件を満たしている場合だけでなく、要件が満たされていない場合にその状態がいつ、どこで、どのように発生しているのかを検知することからも生まれます。 テクノロジーのユースケースはさまざまです。しかし、IP対応アプリケーションをサポートしてメリットをもたらすアーキテクチャパターンとプロトコルは共通しています。このようなパターンやプロトコルは複雑に見えるかもしれませんが、プロビジョニング、導入、運用に適したツールと技法を使用すれば複雑さが解消します。キャンパスで複雑さを解消するのに大きな効果を発揮するのがAIOpsとEVPN-VXLANです。 キャンパスの進化 ジュニパーネットワークスでは、AI、AIOps、対話型仮想ネットワークアシスタントのメリットを何度も説明してきました。これには、XAI(説明可能なAI)によるAIおよびネットワーク分野での信頼性に関連した懸念事項への対処方法が含まれます。ただしEVPN-VXLANは知名度が高く、オープンスタンダードに基づいて構築されています。オープンスタンダードに基づいて構築されています。オープンスタンダードは当初、通信プロバイダとデータセンターで作成されましたが、今ではキャンパスにおける似た問題の異なるユースケースで幅広く使用されています。EVPN-VXLANは、キャンパス内のレイヤー2を安全に拡張するうえで多くのメリットがありますが、その最も重要な特性は全体的な柔軟性、標準化、強化されたセキュリティ機能です。GBP(グループベースのポリシー)によってキャンパス全体のマイクロセグメンテーションが可能になり、アシュアランスが得られることは注目すべきことです。 今ではMist AIとEVPN-VXLANを使用して、到達可能性、セキュリティ、アシュアランスをフルスタックキャンパス環境まで容易に拡張できるようになりました。一貫したポリシー適用、パフォーマンス、予測可能性を実現でき、進化とニーズに応じてさまざまなシナリオに対応します。 小規模/中規模のキャンパス(EVPNマルチホーミング)、コラプストコアの代替として 中小企業(大規模小売店など) Juniper Mist AIは最大4ポッドを管理 レガシー/独自のテクノロジーからEVPNベースのファブリック(STP、MC-LAGなど)に移行するトポロジーに最適 キャンパス/本社(キャンパスファブリックのコアディストリビューション)、EVPN-VXLANをコアとディストリビューション全体に拡張 中規模から大規模までのトポロジー(病院、大学など) アクセスレイヤーがL2で、標準的なLACPを使用するユースケースに推奨 キャンパス/本社(キャンパスファブリックのIP Clos)アクセスレイヤーまでがEVPN-VXLAN 大企業とその他の大規模なトポロジー
2019年のジュニパーネットワークスによるMist Systemsの買収以降、ジュニパーは常にAIOpsやクラウドを活用してDay 0+の企業の運用を簡素化し、これまでにない俊敏性、拡張性、パフォーマンスを実現するとともに、エンドユーザーとIT担当者の両方に最高のユーザーエクスペリエンスを提供しています。キャンパスやブランチのポートフォリオ全体で一般的なMist AI™エンジンを活用することで、有線、無線、屋内位置情報、SD-WAN、セキュリティの各ドメインごとに独自に自動化、インサイト、アシュアランスの機能を取り入れ、クライアントからクラウドまで優れたユーザーエクスペリエンスを実現しています。 このような独自の機能により、特に当社のEXスイッチ製品とAIドリブンのビジネスは記録的な年間成長率を達成しています。有線アクセスに関してフィラデルフィア市、テキサス大学アーリントン校、Canadian Tireなどの著名なお客様が新規に加わり、ジュニパーは2022年の「Garter® Magic Quadrant™ for Enterprise Wired and Wireless LAN infrastructure」において3年連続でリーダーの1社に位置づけられました。また、評価対象のすべてのベンダーの中で、ジュニパーが2年連続で「ビジョンの完全性」および「実行能力」において最も高い位置づけであると評価されました。さらに、2022年のCritical Capabilitiesレポートの「Enterprise Wired and Wireless LAN」部門では、ジュニパーは5つのユースケースのうち4つで他社をリードしています。 しかし、有線スイッチングポートフォリオに関しては、現在の栄光に満足しているわけではありません。ジュニパーは本日、このポートフォリオに追加される2つの画期的な機能について発表します。それが、新しいキャンパスファブリックワークフローと、最新のAIドリブンクラウド運用スイッチであるEX4400-24Xです。これらの強化により、Mist AIとクラウドの高度な機能を、より多くのエンタープライズスイッチング環境に従来よりも容易に取り入れることができるようになります。 キャンパスファブリックワークフロー キャンパスファブリックワークフローにより、EVPN/VXLANのキャンパスへの導入が従来よりも容易になります。クラウドとMist AIを活用したこの新しいスイッチングソリューションでは、シームレスな標準準拠のL2/L3ファブリックを実現できます。このような環境で以前から存在していた導入の手間や運用コストは発生しません。 お客様は、EVPNマルチホーミング、EVPNコア/ディストリビューション、IP Closなどの一般的な標準ベースのキャンパスファブリックを、必要なトポロジーの選択、デバイス/ロールの割り当て、設定のプッシュという簡単な3つのステップで導入できるようになります。 2023年1月18日のNetwork Field Dayで公開された、ライブデモをご確認ください。
本日、2023年の「Gartner® Magic Quadrant™ for Indoor Location Services」において、ジュニパーネットワークスが2年連続でリーダーの1社に位置づけられたことを発表します。さらに「ビジョンの完全性」において、3年連続で全ベンダーの中で最も高い位置づけと評価されました。また、リーダーの1社に位置づけられた企業の中で、ジュニパーネットワークスは唯一のネットワーキングベンダーです。この評価結果は、ジュニパーが位置情報サービスにおいて、ネットワークITと事業部門のユースケースの両方でいかに優れたサービスを提供しているかを示していると考えます。 ジュニパーは独自の価値提案に基づいて、拡張性が高く正確な位置情報サービスが業界トップの小売業、医療機関、教育機関、大手企業などのお客様に提供しています。こうしたお客様は、通信の占有率やトラフィックフローなど状況に応じて従業員や顧客、患者、学生ごとにパーソナライズされたユーザーエンゲージメントを提供したり、アセットの可視化、Premium Analyticsをもたらしています。またジュニパーのソリューションは、当社の実績ある拡張性の高いマイクロサービスクラウドアーキテクチャおよび人工知能(AI)と機械学習(ML)イノベーションを活用し、無線アクセス、有線アクセス、SD-WANドメインに関するユーザーエクスペリエンスを最適化、運用を簡素化します。 オープンでスタンダードベースのプラットフォーム 信頼性と拡張性の高い屋内位置情報ソリューションは、ヘルスケアや製造業、小売業など、B2Cの主要業界にとって常に重要なものでした。しかしコロナ以降、新たにリモートワーク環境での設備管理や従業員エクスペリエンスの改善などの要求に対処するため、B2Bを基盤とするエンタープライズ環境では「必要不可欠な」ソリューションになったと考えられます。今では位置情報ソリューションは、設備管理やセキュリティ、マーケティング、およびその他のさまざまなチームに貴重なインサイトを提供するようになりました。屋内位置情報サービスがこのように幅広く適用されるためには、屋外のGPSと同様、スタンダードベースでオープンな開発者APIと相互運用可能である必要があります。ジュニパーは、相互運用可能な業界標準になることを目指し、Wi-Fi、BLE(Bluetooth Low Energy)、UWB(超広帯域)などの既存および新規の位置情報テクノロジーを推進することを使命としています。 ジュニパーは、完全自動化および位置情報テクノロジーパートナーによる補完製品とのシームレスな統合を実現するオープンスタンダードとAPIを使用して、位置情報サービスを100%プログラム可能にする取り組みを進めており、ユーザーエンゲージメントとアセットの可視化にまたがって新規のユースケースを継続的に実現させています。次世代のモバイルクライアントと容易に統合できるように、Marvis™のモバイルSDKを通じて豊富なアプリケーションをサポートしており、また新たなユースケースを可能にするため、UWBなどの新規テクノロジーとの統合も簡素化しています。 ジュニパーは、複数の標準化団体と協力関係を続けており、新しい屋内位置情報テクノロジーの相互運用可能な標準化を推進しています。それでも、業界標準に準拠するだけでは屋内位置情報サービスの全体像を把握することはできません。 ジュニパーのAPIとwebhookは、標準と連携して、お客様と当社のエコシステムパートナーが位置情報関連データにアクセスし、位置情報サービスを活用してアプリケーションやビジネスの成果に付加価値を与えることを可能にします。実際、ジュニパーは複数の企業と緊密に連携し、多数の位置情報サービスのユースケースを実現して、共通の顧客に幅広く卓越した価値を提供しています。 AIドリブン位置情報サービス ジュニパーの屋内位置情報サービスはMist AI™を活用しており、Wi-Fiの接続性とvBLE(仮想Bluetooth Low Energy)位置情報テクノロジーを統合して拡張性、耐障害性、柔軟性に優れた高精度な位置情報サービスを提供することで、業界とビジネスの成果の変革を推進します。 ジュニパーのイノベーションは、以下の理由によって、屋内位置情報サービス導入時の問題点を解消します。 オーバーレイネットワークが不要:Wi-FiとvBLEテクノロジーのコンバージェンスにより、オーバーレイロケーションネットワークが不要に バッテリーが不要:ジュニパーの特許取得済みのvBLEテクノロジーにより、バッテリービーコンが不要に シンプルなアプリケーション開発:Marvis SDKにより、位置情報機能を既存のモバイルアプリケーションに簡単に追加することが可能 会社や学校、店舗、工場、その他の組織が、2023年の困難な経済状況において戦略的なビジネス拡大を目指すなか、屋内位置情報サービスは引き続きビジネス価値を高める新しい革新的な方法を提供するものであり、このサービスを利用することで企業は競争上の優位に立ち市場独占力を高めることができます。さらに、屋内位置情報サービスにより、ジュニパーのお客様とパートナーの皆様は、無線LANとIoTインフラストラクチャをさらに活用することができます。簡潔にいうと、これはジュニパーが今後何年にもわたり競合他社と一線を画すことのできる素晴らしい組み合わせであると確信しています。 相乗効果を実現 ジュニパーは、クラウドとAIOpsを活用してWi-Fiネットワークの予測可能性、信頼性、測定可能性を高め、ユーザーが気付く前に問題を特定して修復する自動運転オペレーションを実現した、最初のネットワーキングベンダーの1社です。ジュニパーは、当社をWi-Fi業界のリーダーに押し上げたクラウドとAIOpsを、当社が特許取得済みのvBLEおよび位置情報テクノロジーと統合することで、拡張性と精度の高い屋内位置情報プラットフォームを提供して、バッテリー駆動のビーコンを不要にしました。ジュニパーは引き続き、屋内位置情報サービスを業界で必要不可欠な、Wi-Fi同様にユビキタスな存在にすることに注力します。 この屋内位置情報サービス分野での評価に加え、ジュニパーは3年連続で、2022年の「Gartner