貴社はネットワークの複雑さを緩和するためにAIや自動化を導入されていますか? もし導入されていないのであれば、今がそのベストタイミングであることが最新の調査からわかります。
ESG(Enterprise Strategy Group)は最近、ネットワークインフラストラクチャ運用におけるAIOpsの現在の役割についてインサイトを得るため、米国とカナダでネットワークのAIと自動化のテクノロジーやプロセスに関わっている362人のネットワークプロフェッショナルを対象に調査を実施しました。その結果は公開されており、eBook 『ネットワークインフラストラクチャ運用におけるAIOpsの役割』でご確認いただけます。
ESGは特に、以下の点について理解を深めようとしました。
- 成熟したAIOpsが最新のネットワーク環境を管理する企業の能力に与える影響
- ネットワーク環境におけるAI(人工知能)やML(機械学習)と自動化の現在の導入レベルとユースケース
- AIの導入と成熟度のさまざまな段階で、企業が得るメリット
インサイト#1:AIOpsは着実に普及している
ネットワーク運用のためのAI、つまりAIOpsは、あらゆる規模の企業に浸透しつつあります。このような企業は、ネットワーク環境でAIを活用するプロセス数が増えていると回答しています。この調査により、特定の企業がAIを導入してからの期間の長さと、活用しているプロセス数の間に直接的な相関関係があることが判明しました。
- 3年以上AIを使用している企業の半数以上が、41%以上のプロセスでAIを活用している
ジュニパーのお客様は現在、Juniper MistソリューションでAIOpsのメリットを得ることができます。すなわち、このソリューションではお客様独自のネットワーク環境について学習が行われるため、ネットワーク運用を効率化できます。
インサイト#2:完全に自動化された修復が増えている
AIによるインテリジェンスは、アラートを提供するために使用することもできますが、推奨ソリューションの提供や自動修正の直接的な推進に使用されるほうが、企業にとって大きな価値となります。
ESGの調査結果を見ると、自動化やAIの環境が成熟している企業は完全自動化の段階にある傾向が高く、そのテクノロジーに対する満足度が高まり、文化的なハードルの克服とその価値の認識が進んでいることがわかります。
- 33%は、ネットワークAIおよび自動化ソフトウェアをアラートに使用しているが、分析や是正措置は完全に手動制御のままである
- 38%は、同ソフトウェアをアラートや推奨エンジンとして使用しているが、推奨事項の実装や実行は自力で対処している
- 回答者の29%は、完全に自動化された自律的な形でネットワークAIおよび自動化のソフトウェアを活用することは良いことだと考えている
説明可能なAI(XAI)の信頼性と透明性により、企業は完全自立型のAIを安心して導入できるようになってきています。
インサイト#3:ネットワークAIの導入は広範なユースケースに及んでいる
企業はますます、AIを活用してネットワークとセキュリティの両方で迅速に異常を特定し、自動的にとまではいかなくても事前対応で対処ができるようになっています。その他にも、ネットワークの計画、保守、拡張などのユースケースで役立てられています。さらに、AIと自動化の使用により、次第に自己修復型ネットワークが可能になり始めています。
ネットワーク環境でのAIの推進要因となっているユースケースを、回答者の割合別に示します。
- 40% – ネットワークパフォーマンスの最適化
- 38% – セキュリティ上の脅威の検知
- 34% – トラフィックの分析と最適化
- 33% – ネットワークの容量計画
- 32% – ロードバランシング
- 31% – 異常の検知とアラート
- 30% – 予測保守
- 28% – ダイナミックなネットワーク拡張
- 24% – アクションの推奨
- 23% – 自己修復
最終的に、ほとんどの企業がAIを使用する目的は、エンドユーザーエクスペリエンスとITチームの運用エクスペリエンスを向上させることです。
インサイト#4:AIテクノロジーはますます広く受け入れられている
ネットワークの自動化にはさまざまな課題があります。調査の回答者によると、その課題とはたとえば、データの品質(28%)、セキュリティリスクの増加(27%)、設定の複雑さ(26%)、データの可用性(25%)、説明可能性と透明性(23%)などです。こうした課題があっても、AIの使用に対して文化的抵抗があると回答したのは企業のわずか17%で、AIテクノロジーがさらに広く受け入れられつつあることを示しています。
インサイト#5:統合型ソリューションが真のビジネス価値をもたらす
調査の回答者は、スタンドアロンツールではなくAIと自動化の統合型ソリューションを使用していると回答する傾向が多くみられました。
スタンドアロンツールと比較すると、以下のような理由で回答者は統合型ソリューションを支持していました。
- 74% – ダウンタイムの減少、既存リソースの生産性向上
- 68% – 評価や購入が容易
- 59% – 運用コストの削減、価値を生み出す時間の短縮
AIは、自動化の進化に普通に含まれる単なるワンステップであり、ネットワークの運用効率を高める1つの手段として機能します。
インサイト#6:AIや自動化はネットワークのセキュリティを高めている
調査の回答者の圧倒的多数が、ネットワークAIおよび自動化ソリューションを使用して、自社のサイバーセキュリティ対策を強化しています。最新の分散化環境を管理するチームは、脅威を迅速に検知して、絶えず進化を続ける脅威の状況に先んじることを求められています。
ネットワーク環境でのセキュリティ面におけるAIの推進要因について、以下のような回答がありました。
- 62% – 脅威検知の迅速化
- 57% – トラブルシューティングの高速化
- 54% – ネットワークデバイスやエンティティの識別に要する時間の短縮
- 52% – 脅威検知の精度の向上
- 49% – セキュリティの自動レスポンス機能への対応
- 48% – セキュリティポリシーによる不備や問題の特定
- 42% – ネットワークベースの異常の特定
AIは、発見が困難なものを見つけるのに最適です。セキュリティアプリケーションでは、最新の機械学習技術が、見つけにくい異常やその他のサイバー攻撃の特性を明らかにすることができます。
インサイト#7:生成AIがネットワーク運用に根付きつつある
AIと自動化の環境の成熟が進んでいる企業では、実稼働環境で生成AIを活用している傾向が多くみられます。通常ユースケースは企業ごとに異なりますが、生成AIは複雑なクラウドネイティブアプリケーション環境で特に有益なことがわかります。例として、トポロジー生成、トラフィックのモデリング、リソースの割り当て、ダイナミックQoS(サービス品質)などが挙げられます。
生成AIは、日常的なネットワーク運用を改善するためのカギになります。たとえば、Marvisでは、ドキュメント情報のネットワークチームへの提供をサポートするなど、GenAIの機能が増え続けています。
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ネットワークの驚くほどの複雑さに直面して、現状を持ちこたえるのに苦労している運用チームがある一方で、ジュニパーのAIネイティブネットワーキングプラットフォームのようなAIと自動化の統合型ソリューションを活用して、可用性が高く安全な接続をあらゆるアプリケーション、場所、従業員に提供している運用チームもあります。
調査結果とESGの分析の全文については、eBook 『ネットワークインフラストラクチャ運用におけるAIOpsの役割』でご確認ください。