2024年はジュニパーにとって、控えめに言っても刺激的な年でした。HPEによる買収(2025年前半の契約締結に向けて進行中)の件はさておき、ジュニパーは絶えずAIネイティブネットワーキングプラットフォームのイノベーションを推進してきました。またエンタープライズ、サービスプロバイダ、クラウドセグメントにわたってジュニパーの市場投入の目標を継続的に実現しています。
ジュニパーが2024年で成し遂げたすべてのことを大変誇りに思います。ジュニパーのキャンパス&ブランチ、データセンター、WANルーティング、セキュリティの各製品は、主要な病院、ホテル、学校、店舗、キャンパス、工場、サービスプロバイダにおいてITの生産性を向上し、ユーザーや運用担当者に優れたエクスペリエンスをもたらす性能を何度も実証しました。
そこで、この機会に、この1年間での成果を振り返るとともに、2025年にお披露目される、さらなるイノベーションについて少しだけお伝えしたいと思います。
キャンパスとブランチの運用の簡素化
IT運用チームは、ますます複雑化するネットワークに対応し続けるために、これまで以上のプレッシャーにさらされています。また、エンドユーザーの期待値は過去最高となっています。ジュニパーのAIOpsはネットワーク管理を簡素化することで、IT運用チームが事後対応型から事前対応型の管理に移行できるようにサポートします。
事前対応型の管理では、ネットワークエクスペリエンスに影響が出る前に問題の発見と修正が可能になり、その結果、エンドユーザーの満足度が向上し、障害対応チケットが最大90%削減できます。AIネイティブインサイトと自動化によって、IT運用チームは障害対応に費やしていた時間から解放されるようになり、より戦略的なビジネスイニシアチブに時間を費やして専念できます。
Mist AI™はジュニパーのAI for Networking機能の基盤となるものです。ジュニパーは市場初の対話型VNA(仮想ネットワークアシスタント)「Marvis」を開発しました。このVNAは自然言語処理を使用して、事前対応型の推奨事項の提供と、自動運転アクションのサポートを行います。Mist AIは、クライアントからクラウドまでのアクティビティを明確に関連付ける機能を持つ初めてのソリューションでもありました。そしてこの1年は、ジュニパーのキャンパスおよびブランチソリューションを以下の機能により強化することで水準を上げ続けてきました。
- Marvis® Minisは業界初かつ唯一のデジタルエクスペリエンスツインであり、ユーザーの接続をシミュレーションすることで無線、有線、SD-WANにわたる問題を特定します。Marvis Minisはエンドユーザーがネットワークに接続していなくても問題を発見し修正することができます。
- Marvisのアプリケーションエクスペリエンスインサイトは、ZoomやMicrosoft® Teamsの通話品質を事前に予測し、ユーザーが通話に参加する前に潜在的な問題を特定します。こうした事前対応型の機能により、エンドユーザーに影響が及ぶ前にネットワークの潜在的な問題を迅速に解決できます。
- 新しいMarvis Actionsは、ブラックホールトラフィックを特定するスイッチポートの構成ミス、トラフィックループを報告するAPループ検知、ISP障害が原因でアクセスできないAPを特定するオフラインAPなどの機能により、無線および有線のトラブルシューティングを強化します。
- Wi-Fi 7向けAIは、より高速で遅延が少なく信頼性が高い無線ネットワーキングを実現し、ネットワークを次のレベルへ引き上げます。AIドリブンによる自動化とインサイトを活用し、Wi-Fi 7への移行を効率化します。高密度環境のためのシームレスなパフォーマンスを確保するとともに、問題に事前に対処することで優れたユーザーエクスペリエンスを提供します。
AIネイティブの力をデータセンターまで拡大
2024年では、ジュニパーはデータセンター機能一式も新たに導入しました。パフォーマンスの最適化、運用コストの削減、ネットワーク管理の簡素化のために設計されたものです。
例えば、ジュニパーのApstra™自動化ソフトウェアを基に新しいAIネイティブなApstraクラウドサービスを構築しました。このクラウドベースのアプリケーションスイートは、可視化とAIネイティブインサイトを強化することで、アプリケーションエクスペリエンスと影響分析を改善します。こうしたアプリケーションは、受賞歴のあるVNA機能をデータセンターのお客様にも提供するためにリリースされたデータセンター向けMarvis VNAを見事に補完しています。
AIワークロードはこの1年のジュニパーにとって特に注目すべきものでした。「AIのためのネットワーク」でトップに立ち、お客様のAIへの投資対効果を最大化させるために、ジュニパーはOps4AIラボをリリースしました。この革新的なラボでは、ジュニパーのチームだけでなく、お客様もネットワークパフォーマンスのテストや設計の検証ができるほか、イーサネットファブリックのAIトラフィックを最適化するための新しいJVDや機能も提供しています。さらに、ジュニパーは市場初となる800G PTXルーターおよびQFXスイッチをリリース。ワークロードの大小に関係なく、すべてのデータセンターに比類ないパフォーマンスと拡張性をもたらしました。
こうした新しい機能により、ジュニパーは、最も柔軟に設計可能で、最も管理しやすく、最も迅速に導入できるデータセンターネットワークを実現し、提供します。
広域ネットワーキングのための新基準の設定
ジュニパーは、WAN(広域ネットワーキング)を効果的に再定義し、比類ないパフォーマンス、信頼性、簡素化を実現しました。最先端のハードウェアとAIを活用した機能を駆使して、ジュニパーは業界をリードする企業が現在の課題に対応しつつ将来にも備えられるWANを構築できるようにサポートします。以下は、この1年のジュニパーによるWAN関連イノベーションの一部です。
- 業界屈指の拡張性と効率性を実現した800Gルーター:膨大な帯域幅要件に対応し、最新のアプリケーションや高密度環境向けの優れたパフォーマンスを確保できるように設計されています。
- WANにAIOpsを導入するMistルーティングアシュアランス:問題を事前に特定して解決することで最適なパフォーマンスを確保し、IT運用チームが本来やるべき戦略的なビジネスイニシアチブに集中できるようにします。
- 対話型AIでWAN運用を簡素化するMarvis®仮想ネットワークアシスタント(WAN向け):直感的なトラブルシューティングと詳細なネットワーク可視化を提供することで、IT運用チームが確信を持って簡単にネットワークを管理できるようにします。
ネットワークセキュリティの強化
サイロ化されたセキュリティやネットワーク管理では、ますます高度化するサイバー攻撃を防ぐのは非常に困難です。運用の簡素化とセキュリティ体制の強化のために、ジュニパーはセキュアAIネイティブエッジを導入しました。AIOps、ネットワーキング、セキュリティを1つのUI(ユーザーインターフェイス)に統合した初めてのソリューションです。このソリューションは強力なSASEソリューションを作り出し、環境の完全な可視性とより迅速な脅威の特定を実現しています。ネットワークに組み込まれたセキュリティは、優れた保護を提供し、運用の俊敏性とパフォーマンスを向上させます。
ジュニパーは、2024年より前にリリースしたデータセンターおよび通信事業者向けの多くの革新的なセキュリティ機能(分散型アーキテクチャを含む)についても、改善を続けています。
価値実現までの時間の短縮
ネットワーキングにおけるAIのメリットとAIに適したネットワークの価値を理解することは、AIの潜在的価値を完全に実現するまでの第一段階にすぎません。AIのような新しいテクノロジーの導入は、困難でコストも時間もかかるプロセスになる場合があります。一般的な障害を取り除くために、ジュニパーはAIネイティブアクセラレーションのための設計図を導入しました。価値実現までの時間の短縮と迅速なROI(投資利益率)を実現するためのカスタマイズ可能なパスです。この設計図を使用して、お客様のAIネイティブネットワーキング導入におけるすべてのステップをご案内します。お客様が投資を最大限に活かし、成功を阻む障害を取り除けるように、アドバイスとサポートを提供します。
2025年の展望
最新のバーチャルイベント「AI-Native NOW: The Next Era」(現在オンデマンドで視聴可能)では、2025年最大のネットワーキングのトレンドと予測について、業界の第一人者の方々が今後の展望を語りました。AIネイティブネットワーキングプラットフォームの最新のイノベーションの一部について、概要とデモをジュニパーのエキスパートが共有しました。そしてもちろん、ジュニパーは来年もAIネイティブネットワーキングプラットフォームの構築を続け、ネットワーキングの未来を形作る役割をさらに発展させていく予定です。