Self-Driving Network™への移行のプロセスとしては、まずデータサイエンスとカスタマーサポートの協力を得て適切なデータを特定する基盤を構築し(第1段階:データ)、次にネットワークインサイトを獲得するためにそのデータをクラウドに送信します(第2段階:インサイト)。第3段階では、インサイトをメトリックと分類子に編成し、ネットワークの問題を解決するための推奨事項を得られるようにします。
ジュニパーは、個々のネットワーク要素(AP、スイッチ、ルーターなど)に問題がなくても、クライアントからクラウドまでのエンドツーエンドの優れたユーザーエクスペリエンスが提供されるとは限らないことを理解しています。そうした理由から、ジュニパーはネットワークのパフォーマンスに関するインサイトだけでなく、ネットワークのユーザーエクスペリエンスに関するインサイトも提供します。こうしたインサイトは、Mist AI™および業界唯一のクラウドAIアシスタントであるMarvis®を活用したSLE(サービスレベル期待値)によって提供されます。SLEのメトリックと分類子がユーザーのネットワークエクスペリエンスの品質を測定し、クライアントからクラウドまでのユーザーエクスペリエンスに影響を及ぼす問題を解決するための推奨事項をIT運用チームに提供します。また、SLEのメトリックと分類子がユーザーのネットワークエクスペリエンスの品質を測定し、クライアントからクラウドまでのユーザーエクスペリエンスに影響を及ぼす問題を解決するための推奨事項をIT運用チームに提供します。
第1世代のSLEとMarvisは、低品質のユーザーエクスペリエンスに対する分類子と推奨事項を決定するうえで、相互の情報に頼っていました。現在では、MarvisはLEM(大規模エクスペリエンスモデル)に移行しており、これによってはるかに大きな可能性が開けています。例えば、LEMをMarvis Minisと組み合わせると、ユーザー接続を事前にシミュレートしてユーザーに影響が及ぶ前に問題を特定するデジタルツインを実現できます。Minisでは、Marvisはビデオコラボレーションのユーザーエクスペリエンスを予測し、次にShapleyデータサイエンスモデルを使用して分類子のランク付けされたリストとユーザーエクスペリエンスを改善するための推奨事項を作成できます。
事前対応の推奨事項を明らかにすることがSelf-Driving Networkへの第一歩であり、IT運用チームは単に問題を特定するというのではなく、実用的な推奨事項を特定するというパラダイムへ移行することが可能になります。クラウドベースのAIOpsアーキテクチャへと移行したIT運用チームから、日常的な運用を事後対応型から事前対応型へと移行できることが報告されています。チームは何時間もかけてトラブルシューティングを行う代わりに、戦略的な取り組みに集中できるようになります。その間、システムが継続的にパターンを分析し、異常を検知し、是正措置を示唆します。受動的監視からガイド付き意思決定へのこうした移行は、自律ネットワークに向けた重要な一歩となります。
AIネイティブの推奨事項の価値
IT環境は、複数のロケーション、クラウド環境、デバイス、アプリケーションにまたがり、ますます複雑化しています。従来のネットワーク管理は多くの場合、ユーザーに影響が及んだ後にのみ問題に対応する、事後対応のトラブルシューティングに依存しています。AIネイティブの推奨事項は、このようなアプローチを覆します。
- エスカレーションの前に問題を特定:クラウドネイティブのAIOpsが継続的に分析を実行して低品質のユーザーエクスペリエンスを予測し、ネットワークの機能をどのように用いてエクスペリエンスに貢献させるかを決定
- 明確で実用的なガイダンスの提供:単にインサイトを明らかにするのではなく、AIがインサイトを具体的な推奨事項に変換するため、手動による調査の必要性が減り、解決までの時間を短縮
- AIネイティブの運用に対する信頼の構築:AIが即座に対応を行うのではなく推奨事項を提供することで、IT運用チームは自分たちのペースで変更内容の検証と実装を行うことができ、徐々に自動化に対する信頼を育成
これらのインサイトと推奨事項を通じて、企業はMTTR(平均問題解決時間)の短縮、ユーザーエクスペリエンスの向上、ネットワーク全体の信頼性の向上を実現できます。AIネイティブの推奨事項を日常の運用に組み込むことで、IT運用チームは事後対応のトラブルシューティングから事前対応の最適化へと移行できます。
次の段階へ進む準備:アシスト付きのアクション
インサイトから推奨事項への変換は、Self-Driving Networkへの移行プロセスの中でも重要なマイルストーンです。AIネイティブの推奨事項に基づいて対応を行うことで、IT運用チームは、ネットワークのパフォーマンスと信頼性を向上させるAIの能力について、自信を得ることになります。
企業がネットワーク運用にAIを導入し続けると、それぞれの段階で、効率性、耐障害性、俊敏性の向上が達成されます。移行における第4段階「アシスト」では、AIにアシストされたアクションによって、手作業による介入と完全自動化の間のギャップをどのように埋め、運用の簡素化をさらに推し進めるのかについて説明します。
お客様の組織は、Self-Driving Networkへの移行プロセスのどの段階にありますか? どの段階にあっても、ジュニパーは、お客様の次のステップをサポートします。
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Self-Driving Network™への移行に際しては、AIへの信頼を築くことが重要