Wi-Fi 7の登場や、AIと自動化がWi-Fiなどにもたらす変革的なメリットを考えると、現在はネットワークの計画を立てるうえで非常に画期的な時代だといえます。増加し続ける接続デバイス数や高帯域幅アプリケーションの増大するニーズに対応するためには、卓越したスピード、低遅延、大容量を可能にするWi-Fi 7の存在が極めて重要となります。
当然、セキュリティに目を向けると話はそれほど単純ではありません。確かにWi-Fi 7はWPA 3を採用しています。しかし、デバイス数、帯域幅、容量、複雑さが増すと、それだけ攻撃を受ける機会も増えることになります。Wi-Fi 7に移行する際には、攻撃対象領域を縮小し、セキュリティ対策を強化することが極めて重要です。
幸い、適切な機能とアクセス制御を組み合わせて活用すれば、Wi-Fi 7の導入によって拡大した攻撃対象領域を容易に、費用対効果の高い方法で管理できます。さらに、未知の脅威に対応するためにはゼロトラストのアプローチがすでに不可欠であるため、躊躇する理由は何もありません。
以下では、Wi-Fi 7の主なセキュリティ上の課題と、次回のネットワークアップグレードに備えるためにセキュリティ対策全体を改善する際の主な考慮事項について見ていきます。
Wi-Fi 7のセキュリティ上の課題トップ4
- 複雑な設定:MLO(マルチリンクオペレーション)などの高度な機能やチャネル幅の拡大などにより、設定ミスが発生し、セキュリティギャップが生じる可能性があります。
- DoS(サービス拒否)攻撃:攻撃者がWi-Fi 7の高帯域幅と大容量を悪用してDoS攻撃を実行し、ネットワークに大量のトラフィックを発生させることでサービスを停止させる可能性があります。
- 不正アクセスポイント:攻撃者が正当なWi-Fi 7ネットワークを模倣して、データ侵害や不正アクセスを行う可能性があります。
- デバイスの脆弱性:Wi-Fi 7ネットワークに接続するデバイスの数が増えれば、それだけ攻撃者にとって侵入口が増えることになります。そして、すべてのデバイスのセキュリティを確保することは非常に困難です。
ネットワークアクセス制御:Wi-Fi 7のセキュリティのカギ
今日の脅威環境は常に進化しており、少しでもセキュリティ対策に見落としがあると、それが大きなリスクとなります。Wi-Fi 7ネットワークに関する上記の課題に効果的に対応するためには、以下の対策が不可欠です。
- 堅牢なセキュリティポリシー
- 継続的な監視
- WPA 3などの高度なセキュリティプロトコルの活用
Wi-Fi 7ネットワークでは、堅牢なNAC(ネットワークアクセス制御)ソリューションが特に重要です。NACにより、組織はゼロトラストセキュリティの強固な基盤を確立し、サイバー脅威に対する防御を強化して、ネットワークアクセスの可視性と制御を向上できます。NACソリューションはセキュリティポリシーを適用して、ネットワークへのアクセスを許可する前にチェックや検証を実行することで、より広範なゼロトラストアプローチを補強します。
過度に複雑なソリューションからシンプルでミッションクリティカルなソリューションへ:NACの進化
旧式のNACソリューションを使用した経験がある人なら、NACといわれて不安を感じるかもしれません。旧式のソリューションには必ず何かしらの短所があります。旧式のNACソリューションのほとんどがオンプレミスのハードウェアを必要とします。このようなハードウェアは、拡張が困難なうえ、管理が複雑です。ソフトウェアアップデートやセキュリティパッチの適用の際には通常、ネットワークのダウンタイムが必要となるため、ネットワーク管理者はアップデートやパッチ適用をためらうようになります。
Wi-Fi 7ネットワークの登場によって攻撃対象領域が拡大していること、そして今日の企業は常時稼働しているダイナミックな環境を運用していることを考えると、旧式のNACソリューションでは不十分です。今日のIT環境では、利便性に優れたクラウドベースのソリューションと、AIや自動化を組み合わせて大規模にNACを簡素化することが求められます。このアプローチにより、IDとポリシーに基づいて、ネットワーク全体にわたってエンドユーザーエクスペリエンスをエンドツーエンドで可視化し、効率的に管理できます。
最新のアクセス制御のメリット
過剰な作業負担、予算上の制約、必要な人材不足といったさまざまな課題を継続的に抱えている今日の企業に、これ以上複雑なセキュリティソリューションを導入する余裕はありません。そこで、ジュニパーはこれまでとは異なるアプローチのNACを目指しました。マイクロサービスクラウド環境に基づく、拡張性と柔軟性の高いNACです。AIと自動化に関する豊富な専門知識を活かして、ジュニパーは煩雑な手動プロセスを排除しました。ジュニパーの包括的なMist Access Assuranceソリューションにより、Wi-Fi 7の高度な機能を活用できるだけでなく、組織の全体的なセキュリティ対策を大幅に強化できます。これにより、次のような数多くのメリットが得られます。
- IDベースのNAC:アクセスを許可する前にユーザーとデバイスのIDを検証します。これにより、正当なユーザーとデバイスのみがネットワークに接続できるようになり、不正アクセスのリスクを大幅に軽減できます。
- ゼロトラストのネットワークアクセスポリシー:ユーザー、デバイス、およびネットワークへの接続権限と特定のリソースへのアクセス権限を検証して、これらのポリシーを継続的に適用します。
- IT運用の簡素化:柔軟な認証ポリシーフレームワーク内のアクセス制御のフルスイートにより、従来のNACソリューションに伴う複雑さを緩和して、既存のITインフラストラクチャとシームレスに統合できます。
- きめ細かいフィンガープリント式のID:509証明書属性やその他のIdP(アイデンティティプロバイダ)情報に基づき、ネットワークへのアクセスをより精密に制御でき、セキュリティポリシーを適用する機能も強化されます。
- 高可用性とジオアフィニティ(地理的な親和性):マルチリージョン構成のクラウドインスタンスにより、信頼性に優れた低遅延のネットワークアクセス制御が実現します。これは、複数拠点を展開している企業にはとても重要で、場所にかかわらず一貫したセキュリティを提供できるようになります。
AI(人工知能)とML(機械学習)とセキュリティ対策
最近発表されたIDC Spotlightによると、クラウドベースでAIドリブンのアクセス制御(Juniper Mist Access Assuranceなど)は新たな脅威にダイナミックに適応して、ネットワークアクティビティに関するインサイトをリアルタイムで提供できます。AIとMLを活用したJuniper Mist Access Assuranceにより、以下のことを実現できます。
セキュリティと対策のチェック強化:ネットワークトラフィックとユーザーのふるまいを継続的に監視することで、脅威や異常をより迅速かつ正確に検知して対応できます。
コンプライアンスの効率化:ネットワークアクセスとネットワークアクティビティに関する詳細なログとレポートにより、効率的に規制要件を順守できます。
拡張性と柔軟性:組織の成長に伴ってネットワークのニーズが変化した場合、クラウドネイティブのアーキテクチャなら、新しい機能やアップデートをシームレスに導入できます。大規模なオンプレミスのインフラストラクチャは不要です。
今すぐ移行を開始
Juniper Mist Access Assuranceは、Wi-Fi 7に移行する場合にも、現在のセキュリティ対策を強化する場合にも利用できる、強力なツールです。IDベースのネットワークアクセス制御、ゼロトラストポリシーの適用、AIネイティブのインサイトの活用により、現在のネットワーク環境に特有の課題に対応できます。新たに出現する脅威に先んじて対応し、堅牢性、拡張性、効率性に優れたネットワークセキュリティを確保する場合にも、Access Assuranceは不可欠です。
最新のAIネイティブのNACのメリットについては、IDC Spotlightの『 クラウドベースかつAIドリブンのアクセス制御により、ゼロトラストのネットワークおよびセキュリティのコンバージェンスがいかに加速されるか(英語)』をご確認ください。
ジュニパーのWi-Fi 7ソリューションの詳細については、こちらを参照ください。