Self-Driving Network™への移行は、自動運転の車の進化と似ています。かつて不可能と思われたことが現実となり、自動運転車両はセルフナビゲーションで道路を走行し、しばしば人間の能力をしのぐ判断をリアルタイムで行うようになっています。いうまでもないことですが、自動運転車両は注意散漫になることはなく、疲労もたまりません。同様に、ネットワークはAI(人工知能)と自動化が触媒の役割を果たすことで進化を遂げつつあり、自律的にインサイトを提供し、解決策を提案して自己修復アクションを実行するなど、徐々に多くの責任を担うようになっています。
ジュニパーは、こうしたネットワーキングの変革の最前線に立つ企業として、Self-Driving Networkへの移行に際してお客様のガイドを務めています。
AI for Networkingにおける信頼の構築
私たちはどのようにして現在の自動運転のレベルまで到達したのでしょうか? ローマと同様、一日で達成したわけではありません。自動運転の車は、バックアップカメラや衝突警報、LiDAR、コンピュータービジョンなどの足がかりを築きながら、徐々に進化していきました。それぞれの進歩によって安全性や利便性の向上、信頼性の証明が実現され、ドライバー(現在はライダー)は、このテクノロジーに対して少しずつ信頼を寄せるようになりました。
Self-Driving Networkへの移行においても、同じ道をたどっています。AIはまずインサイトをはっきりと示し、次に推奨事項を提示し、最終的に自律的アクションを実行します。IT運用チームは、問題を迅速に特定して解決し、運用業務の負担を軽減し、ネットワークの信頼性を高めるなど、AIが一貫して高い成果を上げていることを見ていくことで、信頼が築かれていきます。
こうした信頼を築くうえでのカギとなるのが、説明可能性です。ネットワーキングにおけるAIは、ブラックボックスであってはなりません。組織は、意思決定の過程と根拠を理解する必要があります。ベンダーがAIの論理的根拠を説明できなければ、ユーザーは懐疑的になり、単なる「AIウォッシング」になってしまう可能性があります。
Self-Driving Networkへの移行の5段階
Self-Driving Networkへの移行は5段階に分かれており、各段階を経由することで最後にはAIイノベーションを通じてネットワークのパフォーマンスと耐障害性を強化できるようになっています。
- データ:基盤作りは、高品質のリアルタイムデータを収集することから始まります。関連性の高いデータがなければ、AIは情報に基づいた意思決定を下すことができません。
- インサイト:未加工データを実用的なインテリジェンスに変換し、ネットワークの健全性、パフォーマンス、ユーザーエクスペリエンスを可視化します。
- 推奨事項:AIが問題を診断し、解決策を提案して迅速な修復を可能にするため、IT運用チームは問題を素早く解決して、シームレスなエクスペリエンスを提供できます。
- アシスト:IT運用チームの承認があれば、AIは事前対応で自己修復を実行し、自律的に問題を解決して時間を節約し、パフォーマンスを確保します。
- 完全な自動運転:最終目標は、ネットワークが自律的に構成、トラブルシューティング、最適化を実行し、IT運用チームは戦略的な取り組みに専念できるようになります。
お客様のネットワークはどのような状況ですか?
ジュニパーは、他のどのベンダーよりも長く、10年を超える歳月をかけてこの移行を進めてきました。運用の簡素化、IT運用チームの強化、シームレスなユーザーエクスペリエンスの提供を目指して、他社に先駆けてAIネイティブネットワーキングに取り組んできました。
ここで明確にしておきたいのですが、AIはITの仕事に置き換わるものではなく、人間の能力を高めてくれるものです。AIは、IT運用チームが見逃す可能性のあるインサイトを明確にし、根本的原因を迅速に特定してトラブルシューティングにかかる時間を短縮し、自己修復を行って最適なパフォーマンスを確保します。その結果、よりスマートに機能するネットワークが実現し、IT運用チームは障害対応に追われることなく、イノベーションに専念することができます。
このブログシリーズでは、移行の各段階について詳しく説明し、データ収集から完全な自動運転の実現までのプロセスを解説します。AIネイティブネットワーキングの実現に向けた重要なマイルストーンごとに紹介していきます。今後もご注目ください。
お客様の組織は、Self-Driving Networkへの移行プロセスのどの段階にありますか? どの段階にあっても、ジュニパーは、お客様の次のステップをサポートします。