エンタープライズITの基盤としてのデータセンターネットワークの重要性はますます高まっています。しかし、ネットワーキングチームは、依然としてIT部門の他の部署から離れたところで、サイロ化された状態のまま運用しがちです。ネットワーク管理者は多くの場合、エンドユーザーのニーズと、ITやアプリケーションの環境、ネットワーク管理の現状の間で板挟みになります。
ジュニパーネットワークスは、急速に進化するデータセンター市場でお客様のニーズを先取りしてお応えするため、この分野で大きなイノベーションを推進し続けています。先月、ジュニパーは、データセンター向けのクラウドベースの新たなAIネイティブアプリケーションスイートであるJuniper Apstraクラウドサービス、およびJuniper Apstraの最新版であるバージョン5.0をリリースしました。
本日ジュニパーが発表するのは、Juniper Apstra ServiceNow PowerPackです。これは、世界トップクラスのエンタープライズIT管理プラットフォームであるServiceNow®とより緊密に連携することで、ネットワークの管理と運用をさらに簡素化する製品です。この新機能は、企業のネットワークインシデントの管理方法を変革します。ネットワーキングチームが他の部署とより効率的に連携して作業することが可能になります。また、Juniper Apstraライセンスをお持ちであれば無償で利用でき、GitHubから容易にインストールできます。
IT部門において何らかの作業を完了するのにかかる時間は、実際の作業よりも、別のチームが作業を終えるのを待つ時間のほうが長くなりがちです。そこで、プロセスの自動化が有効になります。まず時間の節約になります。また、ネットワークエンジニアの手間や苦労が軽減されます。しかし、本当のメリットは、自動化によって実現するのが、ちょっとした業務効率の改善程度ではなく、異なる複数の部署が連携できるようになることであり、それによって企業が何日も何週間も業務を停止せずに済むようになることです。
ネットワーキングチームと大規模なIT部門をつなぐ
Juniper Apstraのアノマリー機能やプローブ機能はネットワークの問題の特定に非常に長けていますが、これまではネットワーク運用チームにしかそれが見えていませんでした。こうした隔たりが非効率につながり、ネットワークの専門家が貴重な時間を費やして手作業での記帳やデータの関連付けを行うため、重要なネットワーク管理タスクや戦略的なプロジェクトに集中できなくなっていました。これからは、運用担当者はやらなければならないことではなく、やりたいことをできるようになります。
お客様の環境、システム、ビジネスロジック要件はさまざまで、それが大きなハードルとなっています。企業ごとに独自のニーズがあるため、組織のコミュニケーションの問題に汎用的なソリューションで対応するのは非現実的であり、効果もあまり見込めません。
ジュニパーはこのような課題に対処するため、Apstraの高度なモニタリング機能をServiceNowと統合する革新的なApstra PowerPackを開発しました。ServiceNowは、企業がエンタープライズとエコシステム全体にわたる作業を自動化、最適化、モダナイゼーションするうえで役立つ、人気の高いITサービス管理プラットフォームです。企業はServiceNowや同様の堅牢なチケット発行システムを使用して、ITライフサイクル全体を通じて障害対応チケット、ワークフロー、アクション、問題を追跡します。このPowerPackソリューションはJuniper Apstraの包括的なREST APIを活用して、ネットワークの異常とServiceNowによる組織的プロセスの間に、カスタマイズ可能な自動ブリッジを構築します。
Juniper Apstra ServiceNow PowerPackはApstraと同期しながら、チケット発行システムのアップデートをほぼリアルタイムでモニタリングします。Juniper Apstraが異常を検知すると、ServiceNowで自動的にインシデントチケットがオープンになり、関連情報が入力されます。そして、Juniper Apstraで問題への対応が行われると、チケットは解決となります。
企業全体でのデータセンターのインシデントに対する可視性と制御性の強化
ネットワークの問題に対応するために障害対応チケットを作成したりそれを更新するのは、面倒な手作業です。運用担当者は、関連するチームとシームレスに連携できるような、プロセスを自動化する方法を求めています。Juniper Apstraの異常検知機能をServiceNowにつなげることこそが求められている方法であり、これによってネットワークの運用が効率化され、インシデント管理が自動化されて効率が上がります。
PowerPackでは、中央制御ポイントとしてJuniper Apstraが使用されます。プロパティセットの値を使用して、追跡する必要があるネットワーク設計図を示したり、自動化を一時停止できます。また、PowerPackのロジックではプロパティセットを使用して、作成されたチケットや対応中のチケットの記録を保持できます。
Juniper Apstra ServiceNow PowerPackを使用すると、次のことが可能になります。
- 組織全体でのデータセンターインシデントの可視性と制御性を高める:ネットワークチーム以外にもネットワークの問題に対する認識を広め、部署間のコミュニケーションを向上させます。面倒な手作業のプロセスが自動化され効率性が上がることで、ネットワーク管理者は時間を確保でき、より重要なタスクに集中できるようになります。
- Apstraで特定された異常に基づいてチケットを自動的に作成およびアップデートすることで、インシデントの管理を効率化する:ServiceNowチケットが瞬時に生成され、ネットワークの問題への迅速な対応が保証されます。リアルタイムで同期が行われるため、ネットワーク異常の現在の状態が反映され、チケットは最新の状態に維持されます。
- 固有のビジネス要件に適合させる:Juniper Apstraの高度な設計および運用機能を活用して、Juniper Apstraの柔軟なAPIを用いた独自のビジネスロジックや要件との連携をカスタマイズできます。
- 今すぐダウンロード:いずれかのJuniper Apstraライセンスをお持ちであれば、無償でGitHubからダウンロードできます。
図1:論理設計
企業がインシデントを管理する方法を変革
このソリューションは、ネットワーク管理の分野でクリエイティブなソリューションを提供しようというジュニパーの取り組みを具現化したものです。Juniper Apstra ServiceNow PowerPackの導入をご希望のお客様、またはこの導入により企業にどのようなメリットをもたらすのかを知りたいお客様は、ジュニパーのGitHubリポジトリ(英語)にアクセスしてください。新規のバージョンや実装は、継続的に更新および追加されます。Juniper Apstraがデータセンターインフラストラクチャの設計、導入、運用方法をどのようにして革新をもたらすのかについては、こちらをクリックしてください。