2024年2月24日(土)のアイデアソン、3月9日(土)~3月23日(土)にかけて行われたハッカソンを含むイベント「バーチャルビーコンハック!」が開催されました。
本イベントは当社の「Juniper Mist(以下、Mist)」の仮想ビーコン機能を用いたハックイベントです。
NTT西日本運営の共創拠点「QUINTBRIDGE」を仮想ビーコン&屋内測位でハック!
「バーチャルビーコンハック!」は、AIネイティブネットワーキングのリーダーである当社が日本で開催した初のリアル共創イベントで、アイデアソンとハッカソンを組み合わせた形で実施しました。
開催の目的は、当社無線LAN製品「Juniper Mist」の仮想ビーコン機能を用いながら、屋内で直面する様々な課題に対し、革新的なアイデア・サービスを生み出すことです。
開催場所となったQUINTBRIDGE(クイントブリッジ)は、NTT西日本が運営するオープンイノベーション施設であり、企業・スタートアップ・自治体・大学などが自由に交流し、それぞれの思いやアセットを共有しながら共創を進め、実社会での活用をめざしています。
当社はQUINTBRIDGEのSelf-as-We「わたしの挑戦を、わたしたちの挑戦へ。」というコンセプトに深く共感し、本イベントを通じてその理念推進の一役を担えたことを光栄に思います。
約1ヵ月という短い期間ではありましたが、当社の技術とQUINTBRIDGEの理念、参加者の発想が交わることで、日常生活に新たな価値をもたらす可能性に満ちたアイデアとサービスが多数生まれることとなりました。
QUINTBRIDGE 公式HP:https://www.quintbridge.jp/
未来を創る ~革新的アイデアソンとハッカソン~
2月24日、初日のアイデアソンでは「Mist」についての説明とQUINTBRIDGEの屋内課題の共有、クリエイティブな思考を刺激するワークショップが行われました。
3月9日の「ハッカソンDay1」では、さらなるアイデアの検討が行われ、2週間後の「ハッカソンDay2」の発表に向け、メンバー同士でサービスの開発が進められました。
3月23日、最終日のハッカソンでは各チームが開発したサービスのプロトタイプをプレゼンテーションして創造性と実行可能性を競い合い、新たなビジネスモデルやサービスが多数登場しました。
「Juniper Mist」の仮想ビーコン機能とは?
本イベントで活用された「Mist」は機械学習機能(AI)と仮想ビーコン機能を統合したクラウド管理型の製品で、当社が誇る最先端の無線LAN技術です。
今回のイベント開催は、仮想ビーコン機能を用いてQUINTBRIDGEをはじめとした屋内環境で直面する課題への解決策を創出することが目的でした。
ビーコン技術とは、Bluetooth Low Energy(BLE)を利用して周囲のデバイスに情報を送信できる小型無線通信デバイスのことで、位置情報サービス、プロモーション活動、資産管理など、その応用範囲はアイデア次第で無限に広がります。
ビーコン技術に関連するサービスは多く生み出されてきましたが、メンテンナスや紛失・盗難のリスク、設置場所の制約などがネックとなり普及は思うようには進まず、現在は限られたシチュエーションでの利用に留まっています。
しかし「Mist」はこれらの課題を根本から解決。さらに、
● ビーコンが反応するZone(エリア)を仮想的に設定することができる
● 仮想ビーコンは仮想であるがゆえ、なんらかのフラグを元に、動的に動かすことが可能
等、ユニークな特長を持っており、ビーコン技術の可能性を拡大しています。
6チームのアイデア発表!優勝は「位置情報紐付き掲示板サービス」
ハッカソンで見事優勝に選ばれたのは「位置情報紐付き掲示板サービス」を考案した「ボッチソン」チームです。ボッチソンチームを含む、各チームのアイデアを下記にご紹介します。
●1位「ボッチソン」
サービス名:Beacon BBS
内容:位置情報紐付き掲示板サービス
「その場に残る発言」というコンセプトを採用し、QUINTBRIDGE利用者が新しい繋がりを見つけることができる。ビーコンのIDをデータベースに紐付け、利用者は自分の現在地に近いスレッドをダッシュボード上で見ることも可能。仮想ビーコンの特長を活かし、物理的にその場にいないユーザーとマッチングが可能になっている。
(評価)
「足跡」の発想がおもしろい。多くのサービスに展開できそう。施設ユーザーに日常的に使ってもらうにはどうするか、引き続きPoCでの検討を期待したい。
●2位「チームA」
サービス名:QB(非)公式アプリ
内容:ユーザーの位置情報を活用して相互のプロフィールとステータスを表示することにより、共創とマッチングを促進するサービス。「Zone(※ ビーコンが反応するエリアが仮想的に設定されたもの)」を動的に作り、来場者のコミュニティを可視化することができた。
●3位「チームナノ_1」
サービス名:食堂オブザーバー
内容:離席予測により、学食や食堂などの公共スペースで「もうすぐ空く席」を色で示すサービス。ビーコンを活用することでリアルタイムで視覚的に把握できるため、混雑緩和に役立つ。
●チームナノ_3
サービス名:どこでもナースコール
内容:病院内に設置されたビーコンで、患者がどこにいても困った時にナースコールを利用できるサービス。仮想的にZoneを設定しておくことで、スタッフは患者の正確な位置をリアルタイムで把握できる上、患者が指定された範囲内から出ないように管理することが可能になる。
●チームナノ_2
サービス名:ゆきさき発見器
内容:ビーコン技術を活用し、展示会やイベントで訪問者が目的のブースを簡単に見つけられるようサポートするサービス。ブースにZoneを設定しておくことで、主催者側が、誰がいつどこに入ったか、などのデータを収集することも可能になる。
●チームB
サービス名:せっかく近くにいるんやから!
内容: インサイト情報と位置情報を組み合わせて、個々のユーザーに最適なマッチングを提供する、QUINTBRIDGEの共創を支援するコミュニケーター用のサービス。「熱量を可視化する」というユニークなアイデアで、QUINTBRIDGE内の人流をコミュニケーターがコントロールできるように設計されている。
試行錯誤して考え抜かれたアイデアは、各チームともに高い評価を得ていました。
屋内測位技術を利用したビーコンと、具体的な屋内課題を結びつけるこれらの革新的な解決策は、当社にとっても非常に価値ある発見となりました。
参加者の感想「発想次第でいろんなことができる」
イベント参加者からの感想をご紹介します。
最年少の小学生からは「仲間と話し合えたのが楽しかった」、中学生からは「大人の多様性に触れることができて、新しい発見がたくさんあった」といった感想をいただいています。
プロジェクトマネージャーとして初めて参加していただいた方からは、「非エンジニアでも役割があり、チームで協力して問題解決に取り組めたことが新鮮だった」との感想をいただき、技術的な知見だけでなく、チームワークの重要性についても学べたと感じられたようです。
優勝チームのエンジニアの方からは「期待以上に学びがあり、ビーコン技術の可能性を再発見した。これからのモノづくりに大いに役立てたい」という声をいただき、参加者それぞれが新しい発想に触れ、将来のプロジェクトに活かす意欲を新たにしています。
まとめ
約3日間にかけて行われたイベントの参加者からは「楽しかった!」という喜びの声をいただき、イベントの続編希望や協業の提案も寄せられております。
今回のイベントでは、当社製品「Mist」の仮想ビーコン機能を核とした多様なサービスが展開され、それぞれのユースケースが新しいビジネス機会を創出する可能性を示しました。
特に、提案されたサービスは全てQUINTBRIDGEの共創を大いに促進するものであると同時に、本取り組みはQUINTBRIDGE初の大規模ハッカソンとして、QUINTBRIDGEのめざす理念を、まさに体現するものとなったと考えています。
当社製品が実世界の課題解決にどのように貢献できるかご紹介できる、良い機会をいただいたと同時に、QUINTBRIDGEの共創の促進や地域活性化に貢献できたことを大変嬉しく思います。
現在、ハッカソン上位チームのアイデアの実現可能性を検証するため、QUINTBRIDGEで上記アプリケーションの一部を使えるようにしています。ぜひQUINTBRIDGEにお越しいただき、Mistの位置情報アプリに触れてみてください。
本取り組みに関する詳細なレポートも、間もなく公開予定です。どうぞご期待ください。