企業は、常に変化する環境でビジネスを行っています。このような環境では、デバイスを全社的に導入し、展開・管理する作業は、複雑で時間がかかります。さらに、キャンパスおよび支社/拠点の環境内で使用されるクライアント、アプリケーション、IoTデバイスの数が増えたことで、状況はさらに悪化します。このような状況のなかで、IT部門は、ユーザーコミュニティが求めるネットワークサービスレベルを達成しようと悪戦苦闘しています。CIOは、こうした問題に正面から取り組みながら、最前線におけるユーザーエクスペリエンスを維持するための解決策を必要としています。
Juniper Networks®は、エクスペリエンスファーストネットワークという基盤が高度なユーザーエクスペリエンスを実現するうえで不可欠な役割を果たすと考えており、クライアントからクラウドまで、ITの運用とインサイトを簡素化および自動化を推進しています。Driven by Mist AI™というコンセプトのもとAIOpsの機能を利用して、世界各国の大手企業(Dicker Data、Wolt)、教育機関(アシュランド公立校、ダートマス大学)、病院(Jan Yperman病院、El Centro Regional Medical Center)、小売店(Gap Inc.、Outletcity Metzingen)をはじめとするお客様に貢献しており、業界の著名なアナリストから高く評価されています。
実際、収益に関する最新のお知らせでもお伝えしましたが、ジュニパーの 2021年第2四半期は、有線アクセスについて四半期として過去最高を達成しました。Juniper Mist™クラウドおよびMist AI、さらにクラス最高水準のハードウェア(先日発表したEX4400イーサネットスイッチなど)によって実現する、運用上の卓越したメリットが大きく寄与しました。同様に、無線アクセスについても、Juniper Mistポートフォリオが3桁成長を遂げ、年間収益が去年に続き過去最高を達成しました。
AIドリブンエンタープライズの新たな機能拡張
ジュニパーは本日、エクスペリエンスファーストネットワークの次のフェーズを発表しました。AIドリブンエンタープライズポートフォリオの新たな機能拡張により、競合企業よりさらに一歩前進します。この新しい機能拡張により、キャンパスおよび支社/拠点のネットワークの大規模な導入および運用がより効率化されます。
- Juniper MistクラウドによるAIドリブンキャンパスファブリックの管理
- 問題を短時間で修復するのに役立つ詳しい情報を提供する新しいMarvis AIOps Actions
AIドリブンキャンパスファブリックとJuniper Mistクラウド
現在のキャンパスネットワークの多くには、独自の技術と複雑なL2/L3アーキテクチャが採用されていますが、これらは現在求められる要件を満たすようには作られていません。さらに、構成の管理ミスと拡張性の不足により、モバイルユーザーとIoTデバイスの俊敏な環境を維持することは困難です。EVPN-VXLANは、このような課題に対応するために使用されることが多い共通のオープンスタンダードですが、導入環境において設定の整合性を維持するには、IT部門による運用がさらに複雑になります。ジュニパーは、Juniper Mistクラウドによってこの運用上の負荷を解消し、EVPN-VXLANキャンパスファブリックの導入と管理を簡素化します。Juniper Mistソリューションで管理者が行うのはテクノロジーを選択することだけで、あとはソフトウェアがやってくれます。
キャンパスファブリック環境向けのJuniper Mistクラウドでは、EVPN-VXLANファブリックを、キャンパスの有線アクセス機能を管理している同じプラットフォーム、つまり、Juniper Mist Wired AssuranceおよびMarvis VNA(仮想ネットワークアシスタント)で管理します。これらは、有線アクセスの導入、設定、Day 2オペレーションすべての共通運用フレームワークとなるだけでなく、AIOpsにも情報を送信します。AIを活用した単一のサポートモデルにより、運用が簡素化および自動化されます。これにより、運用を自動化し、予測に基づいたアクションにより、問題を発生前に解決できます。
Juniper Mistソリューションにより、有線LAN、無線LAN、WANの各環境で共通の運用スキームを利用することもできます。これは、ジュニパーのクライアントツークラウドにおける差別化の重要な部分です。世界の電力会社10社とイギリスの大手スーパーマーケットチェーンは先日、この共通スキームに基づいて、有線、無線、SD-WANのニーズすべてに対応すべくジュニパーを採用しました。
図1. Juniper Mistクラウド – AIドリブンキャンパスファブリックの管理
Juniper Mistクラウドは現在、AIドリブンキャンパスファブリック設定の管理の一環として、以下のデバイスに対応しています。
- EX2300、EX3400、EX4300、EX4400、EX4600、EX4650
- QFX5110(-32Q、-48S)、QFX5120(-48Y、-48YM、-48T、-32C)
Marvisの対話型インターフェイス
Mist AIがカバーするユースケースが増えると、多くの人が最も重要だと考えるトラブルシューティングを超えて、システム内にナレッジグラフを構築することできます。Marvisの継続的な成長、ドキュメント、製品知識に加え、ナレッジグラフは真の対話型AIアシスタントというビジョンの構成要素でもあります。Marvisは、トラブルシューティングナレッジグラフを使って問題を検出または解決し、推奨するアクションを出力します。
使いやすさ
Marvisではまだ回答が得られない質問については、ドキュメントナレッジグラフによって、設定タスクを実施するための詳細なガイドと手順が提示されます。Juniper Mist製品に不慣れなIT管理者にとっては非常に便利です。Marvis対話型アシスタントが管理者をガイドし、Juniper Mist製品の把握、設定、管理をサポートして、問題となっている製品または機能がどれかを管理者に直接指示します。
図2. Marvisの対話型インターフェイス
Marvis Actionsの拡張
Marvisについてのジュニパーのビジョンとは、MarvisがIT部門の一員となり、Mist AIから出力されるナレッジに基づいて、推奨策を提示し、問題を特定することです。Mist AIによって検証された推奨策がMarvis Actionsから出力されます。Marvisのサービスは絶えず進化しており、このような最新のマイクロサービスクラウドや豊富なAIツールボックスもその一部です。ジュニパーは、クライアントからクラウドまで、対象とする新しいMarvis Actionsを複数リリースし、エンドユーザーとIT管理者両方のエクスペリエンスを大幅に向上します。以下はその例です。
- 頻繁に問題が発生している無線クライアント
- 頻繁に問題が発生している有線クライアント
- ARP/DNS異常検知
- APのケーブル不良
- APカバレッジホールの検出
- RF容量の不足
- 有線ポートの継続的なフラッピング
- WANアップリンクの不良
- サードパーティー製スイッチの不良ケーブル検出
Marvis Actions:頻繁に問題が発生している有線クライアント
以下の図3は、「頻繁に問題が発生している有線クライアント」の例です。大規模な導入において頻繁に問題が発生しているクライアント2台を特定しています。これらのクライアントは、ユーザーエクスペリエンスを悪化させる原因となっている、接続に問題のある正規のクライアント、あるいはネットワークに不必要なトラフィックを継続的に流している不正なクライアントの可能性があります。どう対応するかを決めるのはIT管理者次第ですが、Marvis Actionsが、障害の詳細を切り分けて、解決までの時間を短縮してくれます。
図3. Marvis Actions「頻繁に問題が発生している有線クライアント」
Marvis Actions:WANアップリンクの不良
WANアップリンクが不良の場合、Marvisが問題を特定し、接続を確認する必要があることを示します(下図4)。高遅延や高ジッターといった問題を特定することで、 ユーザーエクスペリエンスの悪化はリンクが原因だということをMarvisが教えてくれます。Marvisは、無線クライアント、AP、スイッチの詳細情報を使用して、根本原因を特定および切り分けることができます。以上がMist AIの機能です。IT管理者はMarvisを使うことにより、「干し草の山の中の針」のようなこうした問題を簡単に突き止め、解決できるようになります。
図4:Marvis Actions:WANアップリンクの不良
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Wired Assurance、Wireless Assurance、Marvis VNAソフトウェアサブスクリプションの最新の機能拡張にご期待ください。 以上で説明した機能拡張は、があることに加え、ジュニパーのAIドリブンエンタープライズソリューションの堅牢さと、エクスペリエンスファーストネットワークに対するコミットメントを示すものでもあります。