ジュニパーネットワークスは、持続可能なビジネス成長の実現に向けて最適化したCloud Metroソリューションポートフォリオの拡充を発表しました。Juniper Cloud Metroソリューションは、収益、人材、環境に総体的に取り組み、サービスエクスペリエンスの強化をもたらします。今回の発表は、昨年4月に紹介したCloud Metroに関するビジョンから発展したものです。ジュニパーは、エクスペリエンス主導のクラウド接続環境を実現し、サービスプロバイダが「ボタンを押す」だけで容易にCloud Metroのビジョンを現実にできるようにすることを目的として、メトロソリューションにまったく新しいカテゴリーを創出できるよう過去数年間にわたって飛躍的なイノベーションを遂げ、大幅な投資を行ってきました。そして現在も引き続き、目的意識をもってこの市場への参入を進めてまいります。
Cloud Metro:持続可能なビジネス成長のための新たな製品カテゴリー
メトロは今や「最先端のツール」になっており、非常に大きな成長の可能性を秘めています。メトロには、5G、エッジクラウドホスティング、コネクティビティ、サービスエクスペリエンスがすべて統合されています。しかし、従来の「レトロな(古い)メトロ」で長期間ビジネスの成長を支えることはできるのでしょうか?
メトロのトラフィック帯域幅は、2021年から2027年までに500%以上増加すると見込まれていますが、チームが使える予算の多くは今後も横ばいです。つまり、現在のビット当たりのコストは維持できず、新たにネットワークにかかる費用は、生産的な拡張のために高騰することを意味します。ユーザーの期待は高まっており、セキュリティの脅威は常に拡大しています。通信事業者の経営幹部の86%は、熟練スタッフの人材不足を業界の最重要課題に挙げています。さらに、新しいITU標準では、事業者に対して2030年までに温室効果ガスの排出量を45%削減することを求めています。ジュニパーはこうした課題に効果的に取り組み、さらに持続可能なビジネス成長を総体的に実現するには、新たなアプローチが必要であると考えています。ジュニパーはこのアプローチを「Cloud Metro」と呼んでいます。
おそらくCloud Metroにとって必要な最大の変革は、このようなネットワークやサービスを管理するための革新的なアプローチでしょう。よく言われることですが、「同じことを繰り返しながら、異なる結果を期待するのは間違ったこと」です。ネットワークを再設計することで新たなキャパシティ、新たなトラフィックパターン、新たな持続可能性要件におけるこうした大規模な成長に対応しながら、運用の再設計は行わないサービスプロバイダは、この移行によるメリットを完全に享受することはできません。Cloud Metroネットワークは根本的にエクスペリエンスファーストネットワークであり、この新たなアプローチの最先端に位置するAI対応の自動運用により、従来のようなただのパケットトランスポートではなく、高品質のサービスエクスペリエンスをお客様に対して提供することに注力しています。
Cloud Metroでは、メトロネットワークの設計、構築、運用にクラウドの原則を適用することを重視しています。その運用、システム、アーキテクチャの特性は、下の表1に示した従来のレトロなメトロと根本的に異なるため、これは新しいソリューションのカテゴリです。自動車でたとえてみましょう。電気自動車とガソリン車はどちらも「自動車」ですが、別のカテゴリーに属しています。ジュニパーがCloud Metroで行っていることも、同様に考えられます。
ジュニパーの拡充されたCloud Metroソリューションのご紹介
ここでは拡充されたポートフォリオと拡張機能をまとめて紹介します。これらによって、持続可能なビジネス成長を実現するという1つの目的に沿った、メトロネットワークの運用、システム、アーキテクチャの新しいモデルを生み出していきます。ジュニパーの新たに拡充されたCloud Metroソリューションは、以下で構成されています。
- 400 Gの速度を実現するポート密度と柔軟性を備えつつ、カーボンフットプリントと電子廃棄物を削減する持続可能なシステム
メトロ運用の再考
2021年、ジュニパーはJuniper Paragon ™ Automationを紹介しました。これは、クラウドネイティブでエクスペリエンス主導のソフトウェアアプリケーションのポートフォリオの1つで、ネットワークとサービスの完全なライフサイクルを自動化します。これにより、サービスプロバイダの作業は非常に楽になり、以下のことが可能になりました。
- サービスとしてのAI対応の自動化(AI-Enabled Automation as a Service):大部分の自動化ツールはスタンドアロンのソリューションとして機能するため、複雑な仕様のソフトウェアや専用のオンプレミスのインフラストラクチャが必要になります。ジュニパーは本日、クラウド配信サービスのParagon Automationを紹介します。SaaSソリューションとしてクラウドから自動化を利用することで、チームはサービス提供をすばやく簡素化し加速できるため、生産性とスピードが大幅に向上し、サービス提供までの時間を数か月から数分に短縮できます。このサービスは、2023年初頭から提供開始となります。来年内に、さらなるユースケースとAIドリブンの対話型アシスタントを展開する予定です。
- AI対応のインテリジェンス:AIドリブン運用(AIOps)により、Day 2オペレーションにおいて手作業を減らし、作業時間を短縮します。ネットワーク運用スタッフは、ジュニパーのAIの専門知識を利用して、問題をさらに迅速に診断できます。ジュニパーのAIOpsにより、Cloud Metroネットワーク自体で、ネットワーク障害やサービスの品質低下を、サービスプロバイダ規模でより効率的に観察、予測、修正できます。
- メトロデバイスオンボーディングの再考:サービスとしてのParagon Automationの機能を利用した最初のユースケースとして、ジュニパーはエンドツーエンドのメトロデバイスオンボーディングをサービスとし、即時、安全に、実質上エラーなしで利用できるようにしています。この完全に自動化されたサービスとしてのメトロデバイスオンボーディングでは、どこでもクラウドから利用でき、完全に構成、安全対策、テスト、インベントリ作成が行われたデバイスを数分で提供できます。これは、従来の個々のデバイスのオンボーディングにかかる時間とは雲泥の差です。
サステナブルな運用ができるジュニパーのCloud Metroモデルは、面倒な手作業のタスクを劇的に削減し、エンドユーザーやオペレーターの優れたエクスペリエンスを実現します。また、サービスプロバイダがサービスの市場投入スピードにおいて競合他社との差別化を図れるようにすることで、収益性の高い成長を実現することができます。
ジュニパーによるメトロネットワーク運用の再構築についてはこちらの詳細をご確認ください。
メトロネットワークシステムの再構築
2021年4月、ジュニパーはACX7000ファミリーの2つの新プラットフォームとともに、統合型PONソリューションを紹介しました。これらはすべて、メトロエッジの能力とインテリジェンスを強化することを目的としています。本日は、この進化における次のステップを発表します。それは、ジュニパーが共同開発した新しい400GE ZR/ZR+オプティクスとともに大幅に拡大されたACX7000ファミリーです。
拡充されたジュニパーのCloud Metroネットワークシステムファミリーでは、将来性のあるパフォーマンスの実現が期待できると同時に、電力消費量を最大77%削減できます。これらの新しいシステムの特長は以下のとおりです。
- 適応電力イノベーション:ジュニパーのACX7000シリーズでは、最新世代のチップセットとシステム設計に加え、新しいエネルギーイノベーションを活用して、スペースと電力を抑えながら優れたパフォーマンス、拡張性、密度を提供します。このシステムでは、未使用時にソフトウェア機能を停止できるため、電力消費量を61~77%、総所有コスト(TCO)を最大71%削減することができます。
- 将来性を考えたパフォーマンス:拡大されたCloud Metroポートフォリオでは、1 Gbpsから4.8 Tbpsまでの幅広い拡張性とスロット当たり1.6 Tbpsのラインカードスロット容量を実現しています。また、ジュニパーは1/10/25/40/100/200/400 Gのポートに対応できる柔軟性と密度を提供しており、あらゆるポートで同時に高性能のXR/ZR/ZR+コヒーレントオプティックスをサポートできるようにしています。業界唯一のクラスD認定のタイミング精度を誇るこれらのシステムは、未来の低レイテンシアプリケーションに対応できる能力を備えています。
ジュニパーのCloud Metroシステムは、このように余裕を持って開発されているため、市場に出回っている代替製品よりも4~7年長く使用できるようになっており、電子廃棄物を削減しながら、今後も末永く投資を保護できます。それは最終的に、環境とサービスプロバイダの継続的なビジネスコストの両方にとって、業界で最も持続可能なメトロネットワークソリューションになります。
ジュニパーのACX7000ファミリーポートフォリオについて詳細をご確認ください。
拡張性、確実性、セキュリティに優れたメトロIPサービスファブリックのアーキテクチャの構築
ジュニパーは、Cloud Metroに関するビジョンを立ち上げた際、エンドツーエンドのネットワークスライスに対応するように最適化され、スケールアップとスケールアウトの両方の拡張に対応できる、新しい集中型IPサービスファブリックのアーキテクチャをご紹介しました。現在、このCloud Metroアーキテクチャに以下の機能を追加することで、さらなる進化を図っています。
- 組み込みのActive Assurance:従来のネットワークでは、複雑なスタンドアロンのソリューションを使用して、ネットワークのデバイスやサービスを検証する必要があります。現在は、Paragon Active Assuranceテストエージェントが各ACX7000プラットフォームのJunos OS Evolvedに直接組み込まれています。ジュニパーは、メトロネットワーク自体を「センサー」に転換し、高度な専門知識や退屈な手作業を必要とせずに、ユーザーエクスペリエンスの安全性を事前に可能にします。また、Paragon Active Assuranceによって5G UE/gNodeBをエミュレートする機能を追加することで、サービスプロバイダもエンドツーエンドの5Gサービスの安全性を事前に可能にし、新しい基地局がお客様へのサービス提供に対応していることや、エッジクラウドが新しいネットワークスライスのSLA要件を満たすことなどを、前もって確認できるようになります。さらに、インシデントの解決時間を半分に短縮でき(ほとんどの問題はお客様に影響が及ぶ前に解決されますが)、加入者の満足度とロイヤルティを高めることができます。
- 組み込みのゼロトラストセキュリティ:ジュニパーは、ゼロトラストセキュリティの原則をCloud Metro IPサービスファブリック全体に適用しています。新しいジュニパーのACX7000プラットフォームには、それぞれ暗号化された署名入りの一意のデバイスID(DevID)が割り当てられています。これはIEEE 802.1AR標準規格に準拠し、ハッカーにスプーフィングされるリスクを軽減できるよう、製造時にインストールされたTrusted Platform Module(TPM)0シリコンに保存されています。Cloud Metroプラットフォームを起動するとすぐに、デバイスの信頼性と完全性が自動的に検証されて、ハードウェアとソフトウェアのどちらも改ざんされていないことが証明され、RFCに準拠したセキュアなゼロタッチプロビジョニング(sZTP)が有効になります。さらに、ジュニパーのCloud Metroソリューションでは、ネイティブのファイル暗号化により保存データを保護し、全ポート上のMACsecにより移動中のデータを保護します。また、新しいサービスとしてのParagon Automationにはネットワークの信頼性の検証機能とレポート機能が搭載されており、エンドツーエンドのネットワーク全体のインフラストラクチャのセキュリティ態勢を詳しく分析できます。
こうした機能を組み合わせることで、メトロエッジで新しいデバイスとアプリケーションの急増に合わせて最適化された、より拡張性、正確性、安全性に優れたメトロIPサービスファブリックを作成できます。これにより、次世代のメトロエッジサービスとネットワークスライスを実現するための強力な基盤が提供され、持続可能なビジネス成果を達成できます。
ジュニパー製品を利用して、拡張性、正確性、安全性に優れたCloud Metroアーキテクチャを構築する方法について詳細をご確認ください。
メトロの再考、ビジネスの再構築
新しいデジタルエクスペリエンスの状況と、それを実現するメトロネットワークは、私たちの目の前で変化を遂げています。次世代エッジの登場により新たな課題が生まれていますが、それは同時に、サービスプロバイダが自社のビジネスとデジタルエコシステムにおける役割を見直す素晴らしいチャンスでもあります。しかし、従来のレトロなメトロでは、そのチャンスをつかむことはできません。将来の集中型のクラウド化されたエッジを十分に活用するためには、サービスプロバイダには、新たにメトロネットワーク運用、ネットワークシステム、アーキテクチャに対するより持続可能なアプローチが必要になります。
他社は次世代のメトロネットワークはどうあるべきかを常に試行錯誤していますが、ジュニパーでは今すぐそれを実現できます。新たに拡充されたCloud Metroソリューションにより、サービスプロバイダは、人材、環境、収益のために、持続可能なビジネス成長を加速する強力な基盤を築くことができます。
製品の方向性に関する記述
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