ユーザーエクスペリエンスを中心にしたイノベーションにおいて、すべての製品が同じように作られているわけではないという事実が明らかになっています。その証拠に、iPhoneのデビューは携帯電話業界の常識を書き換えただけでなく、テクノロジーの可能性に新たな基準を打ち立てました。こうした画期的な変革のスピリットは、最新のイノベーションを何度も生み出しているジュニパーネットワークスの活力となっています。
AI時代の800 GEネットワークに対する当社の取り組みは、業界にとって革命的です。それは主に持続可能性、パフォーマンス、自動化の3点においてです。ジュニパーの800 GEソリューションは、iPhoneのようにゲームチェンジャーとなるべく設計されています。つまり、800 GEネットワークにおいてユーザーエクスペリエンスとシンプルさの常識を書き換えます。
800 GEにとって持続可能性が重要であるのは、運用担当者が環境を意識したネットワークの必要に迫られているためです。比類のない効率性を大規模に実現するパフォーマンスは、ジュニパーが責任をもって提供すべきものであり、受け継がれてきたDNAです。自動化は最新化の柱であり、運用を合理化し、よりシンプルで予測性の高い運用を可能にします。
ジュニパーのPTX 800 GEルーティングソリューションは、最近発表された業界初のジュニパーAIネイティブネットワーキングプラットフォームの主要コンポーネントです。画期的なExpress 5シリコンを搭載した新しいPTX10002-36QDD固定型プラットフォームとPTX10000モジュラー型ラインカード(LC1301-36QD)は、ジュニパーのAIネイティブネットワーキングプラットフォームの一部として、AIワークロード向けにデータセンターネットワークを拡張して変革するように設計されています。現在、800 GE PTXプラットフォームの画期的な機能は、さまざまなWANユースケース(コアとピアリングのロケーション、データセンターエッジと相互接続ネットワーク、クラウドメトロアグリゲーションなど)に対応します。800 GE以外にも、これらのルーターは統合を合理化して既存の環境にシームレスに導入でき、ブレークアウトの有無にかかわらず400 GEポート密度の倍増または高密度100 GEを提供します。
顧客のニーズに対応するサービスプロバイダやクラウドプロバイダ、エンタープライズ企業は、常に課題を抱えています。2028年までにインターネットトラフィックは3倍に増加し、クラウドとエッジのワークロードによってメトロネットワーク、DCI(データセンターの相互接続)、データセンターエッジのスループット要件が厳しくなります。また、新しいユースケースによってトラフィックがかつてないほど飛躍的に増加します。たとえば、生成AIはデータセンターネットワークの規模拡大と自動化を大きく促進します。ジュニパーのPTXソリューションは、AI時代以降の課題に対応するキャパシティとスケールに対応します。優れたパフォーマンス、持続可能性、エクスペリエンスファーストの自動化を実現し、汎用性を備え、ネットワークを次世代の収益エンジンに変革します。
800 GEネットワークに関するジュニパーのブループリント
持続可能なネットワーキングを再定義
ネットワークを進化させて従来よりも大量のトラフィックを転送できるようにすると、消費電力(そして関連コストと二酸化炭素排出量)は、すぐに手に負えない状況になります。AIトレーニングクラスター、DCI、ピアリングポイントなどの高トラフィックユースケースにおいては、可能な限りあらゆる点での運用コスト削減が不可欠です。
Juniper PTX 800 GEルーティングソリューションは、環境を意識した持続可能なネットワークを実現し、以下のマルチレイヤーにわたり競争力のある総所有コスト(TCO)を実現します。
- 持続可能なシリコン:新しいExpress 5シリコンは、ネットワークパフォーマンスのエネルギー効率をレベルアップさせます。前世代のExpress 4シリコンと比較して電力効率(ワット/Gbps)が49%向上しています。
- 持続可能なシステム:新しいPTXプラットフォームは、より少ないシリコンチップでより高い電力効率を実現する最適な設計です。エネルギー効率に優れたシャーシに、未使用時に電源が切れる転送エンジンなどの高度なJunos電力管理機能を搭載しています。たとえば、PTX10002-36QDDのキャパシティは、同じフットプリントの前世代プラットフォームの2倍です。前世代のExpress 4ベース固定型ルーターPTX10001と比較してワット/Gbpsが54%向上しています。
- 持続可能な運用:PTXソリューションは、インテリジェントな自動化機能によってTCOカットとシステム効率アップを実現します。たとえば、Paragon Automationはリンクの使用状況を最適化して全体的なTCOを27%削減します。
1. Analysys Mason 2. Ericsson Traffic Growth Reports 3. FutureMarkets 4. MarketsAndMarkets、LightCounting 5. Dell’Oro
ジュニパーのPTXソリューションは、IPoDWDM(高密度波長分割多重方式上のIP)もサポートし、ジュニパーのCORA(統合型光ルーティングアーキテクチャ)をレベルアップさせ、すべてのポートで同時に800 G ZR/ZR+に対応します。従来のサイロ化IPと光コントロールプレーンから統合型メッシュアーキテクチャに移行すると、ネットワークの使用率と持続可能性が劇的に向上します。CORAはネットワークレイヤーを集約し、未使用のWDMキャパシティを解放し、多くのアプリケーションにおいて外部トランスポンダを不要にします。そのため、消費電力が最大54%、二酸化炭素排出量が最大55%削減されます。
妥協のないネットワークパフォーマンス
Express 5シリコンを活用して800 GEネットワークに革命を起こす新しいPTXプラットフォームは、ポート密度、基数、効率性の業界基準を打ち立て、キャパシティ増加と拡張のニーズを満たします。新しいユースケースでも従来のユースケースでも、アーキテクチャのスケールアップとスケールアウトのいずれでも、ジュニパーはニーズを満たすソリューションを提供します。
選択肢と柔軟性が拡大し、400 GEと800 GEのキャパシティをどこにでも拡張できます。コアとピアリングのロケーションだけでなくWANとデータセンターも対象です。以下に例をあげます。
- コアとピアリング:スループットの効率性が重要なネットワークロケーションで規模とパフォーマンスを最大化
- DCI/DCのエッジ:高度なEVPN、VXLAN、データセンター接続と柔軟なエッジオプションを使用
- メトロアグリゲーション:パフォーマンスを重視する多様なL2/L3サービスに対応
- AIクラスター:効率性が高くバッファが深いネットワークと最大限の基数が必要
ジュニパーの800 GEソリューションは、指定されたすべてのロケーションとユースケースにおいて、次のような重要な点に妥協することなく優れたパフォーマンスを一貫して提供します。
- 最大のポート密度とキャパシティ:36ポートに共通する全二重800 GEスループット、または72ポートに共通する400 GE
- すべてのポートにおけるラインレートMACsec暗号化:パフォーマンスへの影響なし
- 優れた拡張性:最大1,000万のFIBをサポート
- 拡張性の高いSRv6:専用回線を使用して、より多くのSID(セグメント識別子)とASICあたり10万以上のSR(セグメントルーティング)トンネルをサポート
- 幅広い柔軟性:ジュニパー製とサードパーティ製の400 Gと800 Gの共通およびコヒーレント光技術(ZR/ZR+)をサポート
- 包括的な「One Junos®」機能セット:SRv6、BIER(Bit Index Explicit Replication)、HQoS(階層型サービス品質)など、さまざまなユースケースをサポート
800 GEの運用を拡張し、極めて優れたエクスペリエンスを実現
今日の高パフォーマンスネットワークをフル活用するには、時代遅れの運用モデルから移行する必要があります。ジュニパーのPTXソリューションは、この移行を先導して、エクスペリエンスファーストの自動化により運用とエンドユーザーのエクスペリエンスを変革します。PTXソリューションは、Paragon® Automation、自社製のツール、スタンダードベースの自動化のいずれを使用する場合でも自動化をサポートします。以下に例をあげます。
- モデル駆動型の自動化:オープンな管理プロトコルとAPIを幅広くサポートするため、お客様独自の方法による自動化が可能です。ジュニパーのPTXプラットフォームは、gRPCサービス、OpenConfig、NETCONF/Yang、ネイティブデータのモデルをサポートします。
- Paragonの”Easy Button”機能:Paragon Automationのユースケースでは、Day 0(プランニング)からDay 2(運用)、それ以降の運用も自動化でき、価値創出を加速します。アクティブなアシュアランスが組み込まれており、ネットワークの変更を自動的に検証して、稼働時間を延ばし、メンテナンスコストを削減します。
- 自動化されたセキュリティ:PTXソリューションにより、インラインMACsec暗号化に加え、最先端のインフラストラクチャセキュリティをあらゆる場所に拡張できます。ジュニパーの各プラットフォームは、一意のデバイス識別子を持ち、Trusted Platform Module(TPM)0フレームワークを使用して起動時にハードウェアとOSの整合性を自動的に検証します。Corero SmartWall® Threat Defense Director(TDD)、DDoS(分散型サービス拒否)防御など、高度なセキュリティサービスを組み込むことも可能です。
変革に着手
大手のクラウドプロバイダやサービスプロバイダは、競って次世代の規模と効率性を採用しています。大規模なネットワークを経済的に運用し、新しいユースケースに対応することは、将来のビジネスに不可欠です。そのため、ネットワークのキャパシティと密度を拡張可能にすることが急務になっています。800 GEの使用を開始する場合でも、成長に応じて投資できる拡張可能なオプションを備えた高密度の400 GEまたは100 GEを希望する場合でも、ジュニパーはサポート可能です。
ジュニパーのソリューションは、Global Fortune 500のサービスプロバイダネットワークや業界トップの巨大データセンターにすでに導入されています。400 GEへの移行で業界をリードしてきたジュニパーは、わずか数年前には考えられなかった高スループットはほんの始まりだと知っています。次世代のパフォーマンスのメリットを実現するには、ビジネスに完全に対応したパッケージが必要です。つまり、持続可能なシリコンとシステム、自動化された運用、妥協のないセキュリティ、要求の厳しい新しいユースケースをサポートする機能と柔軟性です。ジュニパーは、この包括的なパッケージを、AI時代をリードする新しい800 GEソリューションで提供しています。
詳細は以下の事例をご確認ください。私たちのお客様、Akamai、Fastweb、Devoliからいただいたコメントをご紹介します。
「Akamai Connected Cloudは、大規模な分散型エッジクラウドプラットフォームです。アプリケーションとエクスペリエンスをユーザーにより近づけ、優れた拡張性、キャパシティ、リーチ、可視性をお客様に提供します。ジュニパーネットワークスは、400 GE Juniper PTXネットワークを通じて、当社のビジネス目標達成にとって重要なエクスペリエンスファーストを実現します。当社では、ジュニパーの800 GE PTX Express 5ベースシリコンソリューションをいち早く試すことで、グローバルインフラストラクチャとピアリングネットワークを業界トップのネットワークのリーチ、キャパシティ、密度に進化させたいと考えています」
Akamai、ネットワークアーキテクチャ担当シニアディレクター、スティーブン・シェクター氏
「Fastwebでは、新しいDCI(データセンターの相互接続)ネットワークの導入を楽しみにしています。DCIがFastwebバックボーンまで接続すると、お客様はより高いパフォーマンスでインターネットやその他のサービスにアクセスできます。DCIネットワークはコアのJuniper PTX10001-36MRとエッジのMX304デバイスで構成されます。ジュニパーの新しい800 G PTX製品が発売されたときは、DCIネットワークを高密度の400 G、800 G以上に拡張できることを知り、大変うれしく思っています」
Fastweb、ネットワーク運用およびエンジニアリング担当マネージャー、ドメニコ・チミニ氏
「当社では、社内にもパートナーにもイノベーションの推進と最先端テクノロジーの採用を求めています。ジュニパーは、常に私たちの期待に応えてくれました。400 GbEの市場で業界をリードするPTXは、当社ではコアの800 GbEインターフェイスに移行するカギを握っています」
Devoli、エンジニアリング担当ディレクター、ケン・ニコッド氏
ジュニパーネットワークスは、キャパシティのニーズを満たすだけでなく、未来のネットワークの常識を書き換えます。私たちは、800 GEなどのソリューションにより、持続可能性、パフォーマンス、自動化の先駆者であり続けます。新たな局面を迎え、ジュニパーは、サービスプロバイダのお客様が抱える今日、将来の課題に対して期待以上のネットワークソリューションを提供することに責任をもって取り組んでいきます。
さらに詳細な情報は、こちらからPTXシリーズパケットトランスポートルーターのWebページをご覧ください。