ジュニパーネットワークスは本日、画期的な発表を行いました。その内容は、Cloud Metroに関するビジョンの次のステップ、メトロネットワークシステムのポートフォリオの拡大、ネットワーク自動化をクラウド型サービスとして簡単に利用できるまったく新しい方法などです。それぞれが画期的なイノベーションですが、すべてを合わせると、次のような1つの大きな目的が明確に見えてきます。それは、デジタルサービス環境に大きな変化が生まれつつあるということです。サービスプロバイダ(SP)にとって、新しい機能に対するニーズの急増に加え、それを実現するネットワークテクノロジーの出現は、サービスエクスペリエンスを再構築し、それによってデジタルエコシステムにおける自社の役割を見直すことができる、一世代に一度のチャンスを意味しています。
ジュニパーは昨年、Cloud Metroに関するビジョンの発表で、この変革に向けた詳細な計画を明らかにしました。Juniper Cloud Metroにより、クラウド機能により高品質なサービスエクスペリエンスを低コストで提供できる、集中型のインテリジェントなIPサービスファブリックのフレームワークが導入されました。これによりサービスプロバイダは、次の機能を備えた強化されたCloud Metroポートフォリオを活用して、この変革の次のステップに進めるようになりました。
- 集中型のサービスとネットワークスライシングのためのスケーラブルなアーキテクチャを構築できる新しいオプション
- デバイスを数分でサービスに対応できるようにする革新的なAI搭載のデバイスオンボーディングサービス
- 優れた加入者エクスペリエンスを一貫して提供する、組み込みのActive Assurance
- ネットワークと加入者を保護する組み込みのゼロトラストセキュリティ
これらのCloud Metroの拡張機能により、サービスプロバイダはメトロネットワークを再構築して、持続可能なビジネスの成長を加速させ、新しいデジタルエコシステムの主要な推進者としての立場を強化できるようになります。
将来のデジタルアプリケーションに必要なのは次世代のメトロインフラストラクチャ
クラウド、5G、モノのインターネット(IoT)アプリケーションの普及により、機能に対するニーズはこれまで以上に高まり、エッジに膨大な数の新しいデバイスを配置する必要が生じています。正確には、それは新しいとはいえません。むしろ、これらの新しいエッジアプリケーションに伴うサービスエクスペリエンスのようなものです。超高精細の4K/8Kビデオストリーミング、拡張現実と仮想現実(AR/VR)、インダストリー4.0アプリケーションなどの場合、家庭用とビジネス用の両方で、レガシーサービスとはまったく異なる規模で品質とレイテンシが保証される必要があります。
このニーズを満たすには、より柔軟でインテリジェントなアクセスとエッジリソースが必要になりますが、メトロネットワークはそれを展開するのに最適な場所です。主な理由の1つは、2027年までにメトロのトラフィックが500%増加するとアナリストが予測していることです。[1] メトロが依然として中央のデータセンターにトラフィックを集める「土管」の役割しか果たさない限り、次世代のエッジサービスの成長の波に乗ることはできません。そこで、Cloud Metroを使用してネットワークスライシング、エッジクラウドアプリケーション、エクスペリエンスファーストのサービス提供を行うために、メトロアーキテクチャを再考する必要が生じます。
ジュニパーのCloud Metroアーキテクチャ
Cloud Metroでは、現在のサイロ化されたポイント間のメトロネットワークを、分散されたエッジクラウドとエッジアプリケーションで「サービス、場所、デバイスを選ばない」接続を可能にする汎用的なIPサービスファブリックとして見直します。これにより、中央のデータセンターだけでなく、メトロドメイン内の複数のハブ(エッジクラウド)、データ保管庫、キャッシュにもインテリジェントにトラフィックを誘導できます。このような機能により、レイテンシや帯域幅の効率が向上し、よりインテリジェントで将来性のあるMetroが実現します。その結果、加入者ごとのコストを削減し、ネットワークにおいてビットごとの収益を向上させることができます。
このビジョンを実現するために、ジュニパーはCloud Metroポートフォリオを拡張し、画期的な新しいツールを追加して「エクスペリエンスファーストのMetro」の実現を目指しています。
- 柔軟な機能:ジュニパーは、ACX7000ファミリーのプラットフォームでさらに選択肢を増やしました。たとえば、業界最高のキャパシティを誇るメトロルーター、ジュニパーの新しいプラガブルオプティクス、さまざまなフォームファクターなどがあり、メトロのあるすべての場所に適切なリソースを柔軟に配置できるようになります。1-GEから400-GE以上のインターフェイスのオプションのほか、次世代のジュニパーZR/ZR+光インターフェイスから選ぶことができ、メトロの距離のために光トランスポンダーは必要ありません。すべてのCloud Metroシステムにモジュール式のJunos OS Evolvedオペレーティングシステムが搭載され、メトロネットワークのあらゆる場所で同じ機能を一貫して使用できます。
- 統合されたトラフィック処理:Cloud Metroをネットワークスライシング向けに構築することで、分散されたネットワーク全体でany-to-anyのインテリジェントなトラフィック誘導が可能になるため、サービスレベル契約(SLA)を順守できます。ジュニパーのCloud Metroプラットフォームはすべて、イーサネット仮想プライベートネットワーク(EVPN)のオーバーレイ、IPv6セグメントルーティング(SRv6)、レイヤー2/レイヤー3 VPNをサポートしています。Cloud Metroでは、家庭、ビジネス、モバイルxHaulトランスポートなど、メトロのあらゆるユースケースを、1つの運用モデルを使用して1つの集中型アーキテクチャに統合します。
- 成長に応じた投資による拡張性:Cloud Metroでは、継続的なネットワーク拡張のために、より持続可能なアプローチを提供します。ニーズが高まった場合でも、引き続き従来のスケールアップ型のアプローチを既存のリングアーキテクチャに使用できます。しかし同時に、ジュニパーのすべてのCloud Metroシステムは、パブリッククラウドプロバイダがハイパースケールのデータセンターで使用するスケールアウト型モデル、すなわちスパインリーフアーキテクチャに対応します。次世代のエッジをより小規模な分散プラットフォームを使用して構築することで、ノードが停止した場合の「爆風半径(blast radius)」を抑えながら、より細かくニーズに合わせてネットワークへ投資できます。
これらの機能は最初からCloud Metroのビジョンに含まれていました。しかし現在では、次の2つの重要なCloud Metroの機能の導入が進められています。
- 自動化された組み込みのActive Assurance:優れたユーザーエクスペリエンスを一貫して提供(2022年下半期にリリース予定)
- 組み込みのゼロトラストセキュリティ:サービスプロバイダによるユーザー、アプリケーション、インフラストラクチャの保護をサポート(2023年上半期にリリース予定)
特筆すべきことは、これらの拡張機能をメトロネットワークシステムとアーキテクチャそのものに直接組み込んでいることです。
組み込みのActive Assurance
ジュニパーは本日、エクスペリエンスファーストのサービス提供のための新しいモデルを発表しました。このモデルでは、自動化されたActive Assuranceを直接Metroファブリックに組み込んでいます。ACX7000ファミリーの各メトロネットワークシステムでは、Paragon Active Assuranceソフトウェアのテストエージェントが、Junos OS Evolved内に標準で組み込まれるようになりました。ネットワーク自体が「エクスペリエンスセンサー」となり、継続的に自己監視、自己診断、自己修正、自己最適化を行うため、最高のユーザーエクスペリエンスが実現します。
これらの機能により、安心を確保するために外部プローブなどの監視ツールを使用する必要がなくなります。組み込みのテストエージェントでは、受動的なテストに基づいて推測するのではなく、加入者の体験したサービス品質を評価し、スライスやサービスがSLAを順守しているかどうかを確認します。
SLAで配信するネットワークスライスを検証するため、5Gを運用するオペレーターは、5Gユーザープレーンを通じてトラフィックを送信できるようにする必要があります。Paragon Active Assuranceの5Gモバイルアシュアランス機能により、オペレーターはエミュレートされたUE(ユーザー機器)やgNodeBからの合成トラフィックを使用して、以下のような質問にプロアクティブに回答できるようになります。
- この新しいサイトでは、いつでもお客様へのサービス提供を開始できるか?
- バックホールは十分に質が高く、このネットワークスライスに対して保証されたSLAを順守できるか?
- エッジクラウド接続は、レイテンシ、損失、可用性に対するアプリケーションの要件を満たしているか?
サービスプロバイダは、Webベースのマルチテナントの制御センターを通じてこれらのエクスペリエンスを管理し、視覚化できます。そこでオンデマンドのテストを実行し、パフォーマンスの監視結果とともに、さまざまなサービスや管理タスクのKPIとSLAの指標をまとめてリアルタイムで確認できます。 また、デバイスからクラウドまでの信頼性とパフォーマンスの問題を検出し、お客様に影響が及ぶ前に解決できます。まとめると、Paragon Active Assuranceを使用しているサービスプロバイダは、ネットワークインシデントの平均解決時間(MTTR)を50%短縮でき、加入者の満足度とロイヤルティが30%向上したと報告しています。
組み込みのゼロトラストセキュリティ
エッジクラウドとメトロデバイスの大幅な普及により、サービスプロバイダのお客様は、より収益率の高い新しいアプリケーションを使用できるようになっています。これらの変化によって、サイバー攻撃の潜在的なベクトルも急増していますが、今のところ、恐れる必要はありません。Cloud Metroアーキテクチャ全体でゼロトラストセキュリティ原則(けっしして信頼せず、必ず確認せよ)を適用しているからです。強化されたジュニパーのCloud Metroポートフォリオは、次のような機能を備えています。
- 一意のデバイスID:各Cloud Metroプラットフォームには、製造時に一意のデジタルIDが割り当てられています。このハードウェアトラストアンカーは、Trusted Platform Module(TPM)2.0を使用して暗号によってデバイスに関連付けられ、認定されたジュニパー製品を使用していることを証明します。
- ハードウェアおよびソフトウェア認証:すべてのCloud Metroプラットフォームには、標準準拠のセキュアゼロタッチプロビジョニング(sZTP)が搭載されています。Cloud Metroプラットフォームを起動した時やネットワーク経由でアクセスした時に、デバイスのハードウェアやソフトウェアが本物であり、改ざんされていないことを自動的に確認できます。
- 組み込みのデータセキュリティ:Cloud Metroソリューションでは、ネイティブのファイル暗号化を使用してお客様固有の設定情報などのデータを確実に保護するとともに、Media Access Control Security(MACsec)暗号化によって移行中のデータを保護します。他のメトロソリューションと違い、ジュニパーでは、1つ2つにとどまらずすべてのポートでMACsecをサポートしています。
AI対応の、サービスとしてのParagon Automationでは、ハードウェアとソフトウェアが本物であることの確認、最新ソフトウェアのイメージ管理、ゼロタッチの設定とプロビジョニングのセキュリティ確保、デバイスの健全性とネットワークパフォーマンスの確認、インベントリの更新が行われるため、わずか数分でCloud Metroデバイスをサービスで完全に利用できるようになります。ゼロトラストセキュリティをCloud Metroアーキテクチャに組み込むことで、ユーザー、アプリケーション、インフラストラクチャを保護し、デバイスやデータの侵害リスクを大幅に軽減できます。
メトロアーキテクチャの再構築、ビジネスの再考
5GやIoT、クラウドなどの新しいイノベーションが日々出現し、企業やお客様サービスにとって新たな可能性が広がっているようです。こうした変化を利用しているサービスプロバイダは、サービスエクスペリエンスを再構築し、デジタルエコシステムで新たな役割を担うことができます。しかし、過去のサイロ化された一元的なアーキテクチャ向けに設計されたレトロなメトロを使っていては、それを行うことはできません。
これに対応するには、サービスプロバイダはクラウドのリソースとインテリジェンスがユーザーの近くに配置されるように、Cloud Metroを構築する必要があります。そうすることで、エッジにおいて安全でエクスペリエンスファーストなサービス提供が可能になります。また、Cloud Metroにおいて、次世代のエッジエクスペリエンスを実現するために必要なレイテンシ、タイミング、保証されたパフォーマンスが確保されるようにする必要もあります。ジュニパーの強化されたCloud Metroポートフォリオを使用することで、サービスプロバイダはそうしたネットワークの構築に今すぐ着手できます。
製品の方向性に関する記述
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[1] ACG Research、https://acgcc.com/reports/next-generation-cloud-metro-network-requirements-a/