企業が競争上の優位性を求める中、いかに迅速にAIを活用できるようになるかが重要になりつつあります。反復的な繰り返しの業務を自動化することは、業務効率の向上とコスト削減につながるだけでなく、お客様にとってもメリットとなります。的確なインサイトに基づいて強化された、より正確で一貫性のあるサービスを提供することになるからです。AIに対する準備と導入に関連して、最近ジュニパーネットワークスが実施したグローバル調査では、APACの回答者のうちの75%が、現在AIを戦略上の最優先事項とみなしていることがわかりました。
すでにAIの能力を採用し、活用している企業は、 実際に有意義な成果を上げています。AIを通してネットワークにシンプルさ、信頼性、セキュリティをもたらすことで、IT運用チームはより高度なタスクに専念できるようになり、ユーザーも優れたエクスペリエンスを得られます。AIの専門知識を持つ人材を雇用する必要はありません。
クラウド時代のエクスペリエンスファーストネットワーキング
「未来はすでに現実となっている。平等に配分されていないだけだ」
― ウィリアム・ギブソン
AIが企業やネットワークユーザーに役立つということを、最も身近で象徴している例といえば、最近のリモートワークやハイブリッドワークの急増でしょう。
不安定な接続状態での在宅ワークは困難であり、IT管理者はネットワークに対する大きなプレッシャーにさらされています。これまでの企業のIT環境は、一か所で一元管理されたもので、エンドポイントはすべて把握されていました。しかしながら、現在のハイブリッドワーク環境は、自宅にあるWi-Fiや地域のプロバイダに依存せざるをえず、基盤となるインフラが多様化しています。必然的に、ユーザーのエクスペリエンスも一貫性のないものとなっています。ファイバー接続しているユーザーもいれば、いまだにADSLを利用しているユーザーもいます。新型コロナウイルスによってこの課題が浮き彫りになり、ネットワークを改善させるための起爆剤となりました。
ジュニパーのAIドリブンエンタープライズは、ネットワークのこうした一貫性のなさを解決し、エクスペリエンスファーストネットワーキングを実現します。ジュニパーのクラウドネイティブプラットフォームは、Mist AIを自動的に活用して個々のユーザーのニーズに合わせてネットワークを最適化します。また、仮想ネットワークアシスタント「Marvis」が問題を特定して改善し、必要なオーバーヘッドを削減するソリューションを適用できます。
例えば、組み込みのジュニパーのセッションスマートルーティングを使用することで、二重の暗号化を回避し、トンネルフリー接続を実現できます。また、Marvisは常に接続性を測定し、異なる場所、異なるデバイスあるいは異なるアプリケーションでの使用パターンを識別することで、共通する問題に自動的に対応したり、ネットワーク管理者に推奨事項を提示することができます。
エクスペリエンスファーストネットワーキングとは、レストランで美味しい食事を楽しむようなものです。調理にどんなコンロが使われているのか、どんな調理をしているのかなどを、気にする必要はありません。ウェイターはMarvisのような存在です。お客様が最高の状態で食事を楽しむことができるように、質問に答えたり、行動したり、必要に応じてお勧めを伝えることができるように、常にスタンバイしています。これが、AIがもたらすエクスペリエンスのクオリティです。テクノロジーを見えないようにしながらアクセスできるようにし、ネットワークを最適化するために意図的に行動を起こし、シームレスな接続を実現します。ユーザーに影響を与える前に、問題を解決することさえできます。
エクスペリエンスファーストネットワーキングからメリットを得るのは、ユーザーだけではありません。すべてがクラウド上にあるため、しばしばダウンタイムの最大の原因となっている、ネットワークの変更ミスから生じるリスクを最小限に抑えることができます。AIはネットワーク運用を容易にし、設定やトラブルシューティングにかかる時間を短縮し、障害チケットの件数も大幅に削減してくれます。Marvisには自然言語処理が備わっており、「今日のリーの接続状態は?」などというように、人が話す日常的な言葉で質問できます。継続的な機械学習により、長年にわたる企業のトラブルシューティングから導き出されたもので、特別なAIトレーニングは必要ありません。Marvisでチームを強化することで、有能なIT担当者を繰り返し作業から開放して、価値を追求するための作業に専念させることができます。
AIが価値実現までの時間を短縮
価値実現までにかかる時間の短縮は、ほとんどの企業にとって優先事項です。ジュニパーのアクセスポイントは、インストールや設定に特別なスキルは必要ありません。箱から出したら、あとはプラグを差し込んで、QRコードを関連アプリに取り込むだけです。ジュニパーのMist AIソリューションが、設定済みの導入コードをAPにプッシュするので、アクセスポイントはほんの数分、あるいは数秒でアクティブにできます。
AIを使用することで、確保されたネットワークエクスペリエンスと平均解決時間(MTTR)の短縮も実現できるため、有意義に使える時間も増加します。これはAIに、潜在的な問題を正確に特定して、自動的に修正するか、解決のための推薦事項を提示することができる機能が備わっているからです。
ネットワークで収集されるデータには大きな価値があります。このデータを活用することで、従業員やユーザーエンゲージメントを高める高度なサービスを提供できます。ジュニパーの屋内位置情報サービスは、独自の仮想Bluetoothオーバーレイ(vBLE)をベースにしたもので、バッテリービーコンを必要としません。代わりに、アクセスポイントには多数のトランスミッターが組み込まれており、ネットワークからリアルタイムでデータを収集して、分析やインサイトを提供します。例えば、従業員の安全なオフィスへの復帰を促進したいと考えている企業の場合であれば、ネットワークデータを利用してソーシャルディスタンスを推進できます。部屋や建物の稼働率を監視したり管理でき、近接追跡を使用すれば、感染症の濃厚接触のリスクを従業員に知らせることができます。また、大規模なビルやキャンパスでも資産にタグを付ければ、資産を簡単に見つけ出すことができます。
エクスペリエンスファーストネットワーキングを実現
AIソリューションが統合され、長年蓄積された機械学習が活用できるようになれば、ユーザーやITチームが真の価値とメリットを享受できるようになるまでに、それほど時間はかかりません。ジュニパーのAIドリブンエンタープライズは、AIをすぐに活用して、企業の組織全体にプラスの影響を与え、運用上の課題を大幅に軽減し、サービスを強化し、コストを削減することができます。